トゥルーピークについて考える
トゥルーピークのお話をします。
トゥルーピークを理解して、トラックに適応しないと、せっかく時間をかけて創った音源の一部が削られたり、クリップノイズが乗る原因にもなります。
トゥルーピーク値とは、、、
簡単にいうと、音源がオーディオに変換された時に発生するピークのことです。
こちらがアナログの波形
これをデジタルにすると点のところのように、一定の時間毎にその時点のサンプルを取っていくことになります。
デジタルは、アナログのようななめらかな線にはならないので、サンプルで繋いでいくことになりますが、この曲線の1番高いところがサンプルのピークになるとは限らず、サンプル間の予想される1番高い位置が、インターサンプルピーク(ISP) / トゥルーピークということになります。
デジタルだけにすると、イメージですがこんな感じになります。
では、このデジタルの波形、音圧を上げてみます。
現状、このデジタルの状態では、まだ0dBFSを超えてはいません。
ですが、デジタルで処理をしていても最終的には私たちは音を聴くときは必ずアナログです。スピーカーから出てきた音、アナログの音を聴くわけですので、、D/A変換でアナログになった音を聴くわけですから、必ずアナログに戻す作業というのが出てくるわけです。
では、このデジタルの信号をアナログに戻すとどうなるでしょう?
0dBFSを超えちゃいました。
この超えた部分は、歪みになります。
デジタルの信号をアナログに戻す際、ざっくり言うとデジタルの点と点を結んでいくと多分こうだろうという線をDAコンバーターが書いていくんですね。
そうすると、この0を超えた部分が歪みとなって変換されてしまいます。
実際に、トゥルーピークを超えていても聞いている音は「歪んでないよ!」
と言われる方もいらっしゃるかと思います。
ですが、リスナーは違う環境で、違うエンコーダーで変換された音を聴きます。
場合によっては、雑にmp3に変換されたり、配信変換された時に問題が生じる可能性が大きくあるということです。
マスタリングに持ち込まれる音源は、プロのミキシングエンジニアの方がミックスした音源だけでなく、アーティストさん、作家さんがミックスされた音源が届くこともあり、
度々、トゥルーピークを大きく超えている音源を受け取ることがあります。
ミックスの時点でトゥルーピークを超えていると、マスタリングでは正直どうにもならないのですよね。
やっぱり最終的なアウトプットで残念なことになることは避けたいですよね。
常にメーターを見ながらミックスをするというのは、
良いミックスには繋がらないですが、
アウトプットとして良いサウンドを届けたいという観点からは、
ミックスの途中で、たまにはメーターを確認して、
今現在、自分がミックスしている音源が数値的にどのようになっているのか、
トゥルーピーク値がどういう数字になっているのか、など
気にして欲しいな、と思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?