憂鬱だった雨の日を「特別な日」に変えてくれたディズニーの魔法
大嫌いだった雨の日がこんなに待ち遠しくなるとは、思ってもみませんでした。
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雨の日は憂鬱。
傘をさしても避けきれない雨に肩とカバンを濡らされながら歩く。
道の向こうから来た人の傘と、自分のそれがぶつからないように注意を払う。
注意を払っても、時々避けきれずにぶつかり、怪訝な顔をされる。
そうこうしていたら水溜りに足をつっこみ、スニーカーの中にじっとりと水が染み込む。
水が靴下にまで侵食するのを感じながら、「なんでこんな日にスニーカーにしちゃったかな」と後悔する。
とにかく早く目的地に着きたくて、水が染み込んだ靴で足早に駅に向かう。
雨の日は、面倒くさい。
雨の日は、部屋から出たくない。
そんな私に、ディズニーが魔法をかけてくれました。
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ショッピングモール内にある美容室でのカットを終えて、私はモール内をフラフラと歩いていました。
時間は午前11時。
いつもは人がごった返しているショッピングモールも、まだ人が多くなくゆったり見て回ることが出来ます。
20分ほどうろうろしましたが、特に目ぼしいものは見つからず、、。
帰って本でも読もうかと思い、モールと駅の連絡通路に向かって歩いていた時です。
連絡通路付近にあるディズニーストアーがふと目に入りました。
「ちょっと見てから帰ろうかな、、。」
ディズニーの魔力に惹きつけられるように、店の中へ、、。
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私は小さい頃、ディズニー映画のビデオを何度も繰り返し見ていました。
リトルマーメイド、チップアンドデール、アラジン、美女と野獣、シンデレラ、白雪姫、プーさん、ファンタジア、ライオンキング、トイストーリー、、、
映画の挿入歌を歌って踊ったり、
リトルマーメイドごっこをしたり、
ディズニーの塗り絵に熱中したり、、
本当に大好きでした。
(親の教育方針により、なぜか全部英語でしか見せてもらえなかったのですが笑)
だからなのか、ディズニーの世界観に触れると、自分が子供の頃に戻ったような気持ちになります。
綺麗なものを見てドキドキする気持ち。
親から守られている深い安心感。
未知なるものを知ることへのワクワク。
そんな気持ちを思い出したかったのかもしれませんし、ただの気まぐれかもしれません。
とにかく、「行きたい、行こう」そう思いました。
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ディズニーストアーに入ると、ひときわ目立つ一角がありました。
壁一面、左から、プーさん、その隣もプーさん、そのまた隣もプーさん、プーさん、プーさん、、。
プーさんのグッズだらけ。
明るいパステルカラーを基調にしたグッズは、見ているだけで気持ちまで明るくなります。
しかし、その中で1つ異質なものが目に止まりました。
深い緑色の無地の傘。
1つだけ色のトーンが違う。しかも、無地。
柄の部分も落ち着いたブラウンの木目調で、とても一緒に並べられているグッズと同じシリーズの商品に見えません。
「なんだこれ?」
思わず手にとってしげしげと見ていると、店員さんに話しかけられました。
「こちら、開いてみられましたか?」
「いえ、、」
「ぜひ開いてみてください、とっても可愛いので!」
満面の笑みでおすすめしてくる店員さん。
どうやら、「開くと」可愛くなるタイプの傘らしい、、。
なんだその「惚れた男性にだけ甘い顔するツンデレ女子」みたいな設定は、、。
まだ購入してもないのに綺麗に巻かれている傘を開けることに若干の罪悪感を感じつつ、おそるおそる傘の留め具を外してみると、、
ん?
生地が2枚重ねになってる、、。
そして傘の内側にプーさんと思わしき柄が、、。
「どうぞ開いてください!ジャンプ傘になってるので、片手で簡単に開けますよ!」
「あ、はい、、」
それにしても店員さん美人だな、、と傘と関係ないことを考えつつ、傘のボタンを押しました。
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傘が開いた瞬間、私はプーさんの世界に入り込んでいました。
「この傘めっちゃ可愛いですね、、」
「ですよね!!この傘があると、雨の日も楽しくなっちゃいますよね!」
たしかに。。
だって、雨の日以外はずっとこの状態なわけでしょ?
で、雨の日だけ、こうやってプーさんの世界に入れるわけでしょ?
この傘があれば、雨の日は「面倒くさい日」じゃなくて、「プーさんの世界に入ることのできる特別な日」になる。
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傘の下という超ミニマムな空間を、ディズニーはこんなにも夢に溢れた世界に変えてしまう、、。
傘を開くその数秒で、世界を変えてしまう。
これはもう魔法じゃないか、、。
すごいぞディズニー、、。
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もちろん傘はお買い上げ。
合わせて傘ストッパー(傘の滑りを止める滑り止め)も購入してしまいました。
↓こんな風にして使います
ディズニーは私に、「憂鬱な雨の日」を、「プーさんの世界に入れる特別な日」に変えてしまう魔法をかけてくれました。
エンターテイメントの王様は、日常を特別にしてくれる魔法使いなのかもしれません。
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