色彩 〜2023年1月 その1〜
浅草を歩いた。
1月末、キンとした空気を
ほんわり和らげるような
陽射しのある日だった。
鳩は太陽のぽかぽかを
羽いっぱいにためているかのように
ふくふくしていた。
目的地は、「梅と星」さん。
美味しい梅干しと
羽釜ご飯が食べられるという。
お店は
仲見世通りを浅草寺に向かっていく
途中で、一本入ったところにある。
白い旗に光が差して
もっと白く輝いていた。
一組分待って、すぐに入れた。
カウンターには七福神の人形が
並んでいた。
目玉は「おともみくじ定食」。
その名の通り、ご飯のお供が
おみくじで決まる。
さっそく頼むと、福禄寿になった。
いつも外食時は「ご飯少なめ」だけど
この日はおかわりまでした。
羽釜ご飯と、最高のおともたちは
食欲をモリモリにしてくれた。
この日、ここへ来たのは
ご飯はもちろん、
2階で開催している
かつおさんこと仁科勝介さんの
展示を見たかったから。
2階はお座敷になっていて
ゆっくりお茶を飲みながら
写真を見れた。
東京の街並みを切り取った
数々の写真たち。
「こんな場所あったっけ?」
「ここってどこだろう?」
と思う写真もたくさんあった。
心の奥まで、ゆったりした。
帰りがけ
煎り酒の「よしなに、」を購入。
昨年、
ほぼ日の「生活のたのしみ展」で
はじめて買って美味しかったので、
今日は「買うぞ!」と
最初から決めていた。
実家用も合わせて2本買った。
お店の外へ出ると、
往来する人が増えていた。
浅草寺へお参りするべく
人だかりの中を歩く。
お参りしてから後ろを振り返り
びっくりした。
この3年、一度も見てこなかったような
人の集まりだった。
1年ほど前に仲見世通りを歩いた時は
まだ閉まっているお店が多かった。
この日は、通りに面した
すべてのお店が開いていた。
人通りも多くて
「これが、浅草だ」と感じた。
そろそろ、明けてほしいなぁ。
ゆるりと解けていくといいなぁ。
そうして人肌を感じられる
街と毎日になっていくといいなぁ。
そう思った1日だった。