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ビビアン・チョウと香港の思い出


この前の記事で、香港のチョンキンマンションの話を書いて、香港のことを思い出していたら、そういえば広東語のポップスにはまっていたということを思い出しました。

80年代の終わりの頃、出張で香港に行った際に、露店で売っていたカセットテープを適当に二つくらい買ったのがきっかけでした。歌手の名前とか曲とか全くわからずに買ったのですが、ラジカセから流れてきた女性歌手の広東語の歌に魅了されてしまったのです。

日本の曲のカバーも何曲かありましたが、ちょっとぶっきらぼうに聞こえる広東語の響がとてもエキゾチックで、全く違う曲に聞こえたのを覚えています。

90年代は、香港四天王と呼ばれる4人の男性歌手が有名でした。張学友(ジャッキー・チュン)、劉徳華(アンディ・ラウ)、郭富城(アーロン・クオック)、黎明(レオン・ライ)の四人です。

しかし、私が魅力を感じたのは、女性歌手の広東語の曲でした。サンディー・ラム、サミー・チェン、サリー・イップなど懐かしいですが、中でも特に気に入ったのは、ビビアン・チョウ(周 慧敏)でした。

アイドル歌手なのですが、1967年香港生まれの彼女は、タレントコンテストで柏原芳恵の『最愛』という曲を日本語で歌い、歌手デビューへと繋がっていきます。数年後、彼女は、この『最愛』を広東語でカバーし、香港でヒットさせます。

こちらがそのミュージックビデオです。

1984年に柏原芳恵が発表した曲で、作詞作曲は中島みゆき、第26回レコード大賞の金賞を獲っている曲です。ビビアン・チョウがカバーしたのは1993年のことでした。

ビビアン・チョウは、90年代にいくつかヒット曲を出していますが、北京語も覚えて、次々と北京語のヒット曲を出していきます。こちらはその一つ『心事重重』という曲です。

広東語だと、市場が香港だけなのですが、北京語だと、中国大陸、台湾、シンガポールなど一気に広がります。ビビアン・チョウも北京語曲を出して、ファン層を拡大していきます。

そして、デュエット曲の名曲の『流言』がこちらです。


これをデュエットで歌えるとかっこいいなと思って、一生懸命練習したことがるのを思い出しました。

今日は朝からビビアン・チョウの曲をずっと流しているのですが、なんだか昔の記憶が蘇ってきます。じっとりとした香港の空気、ものすごいスピードで歩く人々、エスカレーターのスピードの速さ。竹で編んだ工事現場、西洋と東洋が混在するSOHOの坂道、スターフェリー、真夜中に食べた火鍋の辛さ、北京ダックを朝食で食べたこと、英国風朝食、飲茶、亀ゼリー、マンゴープディング、フィリピンカラオケ、オフィスに上がる狭いエレベーター等々。記憶が次々と呼び覚まされます。

ビビアン・チョウは、やがて芸能界から距離をおき、結婚して、バンクーバーに移り住みました。現在も、若干のタレント活動はしているようですね。50を過ぎても、アイドル時代の美貌は衰えていません。こちらがフェイスブック。

https://www.facebook.com/VivianChowWaiMan2013

そしてこちらがユーチューブチャンネルです。

https://www.youtube.com/c/周慧敏vivianchow

香港は、変わっていっても、ビビアン・チョウや広東語ポップスは無くなってほしくはないですね。

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