「生物学的女性」(Biological Woman)がミスユニバースの栄冠に輝いたというニュース
2024年11月16日、メキシコシティで開催されたミスユニバース世界大会で優勝したのは、デンマークの女性、ビクトリア・ケア・タイルビさん(Victoria Kjær Theilvig)でした。
海外では、「生物学的女性」(Biological Woman)が優勝したのを喜ぶ報道が続出しました。何か特別な女性なのかと思ったら、「生まれつきの女性」という意味でした。なぜ、こんな言葉が使われたのかと言うと、じつはミスユニバースの世界もトランスジェンダーが入り込んで来ていたからです。
2018年、ミス・スペインとして世界大会に参加したアンジェラ・ポンセさんは、トランスジェンダーだったのです。世界大会にトランスジェンダーが参加したのは史上初の出来事でした。
そして2023年の世界大会には、オランダからリッキー・コレさん、ポルトガルから、マリナ・マチェテさんという二人のトランスジェンダーが参加しました。
ポルトガル代表のマリナ・マシェテさんはベスト20に選ばれました。こういう流れがあったので、今年のミスユニバースはさらに大変なことになるのでは思われていたのですが、優勝したのはトランスジェンダーではなく、「生まれつきの女性」だったので、世界はこれを賞賛することになったわけです。
じつは、2024年のミスユニバースは、アメリカ大統領選挙でトランプ氏が圧勝し、民主党が敗北した出来事の直後のイベントだったことを忘れてはなりません。民主党が負けた背景には、庶民と乖離したエリート主義がありました。“Wokeness" (意識高い系の考え方)が嫌われ、それまで盛んにメディアを賑わせていたLGBTQや、ダイバーシティー、ポリティカルコレクトネス、DEI (Diversity, Equity, Inclusion)などの概念が、さらには気候変動や、地球環境などの概念までもが弱体化しつつあります。
おそらく、2024年の11月は、歴史的な大きな転換点となっていて、これまで行きすぎた考え方が、保守的でトラディッショナルな方向に振り子が大きく揺り戻されているのではないかと思います。
こちらは、イーロン・マスク氏のXのコメントを取り上げた記事です。
大会が「生物学的女性」を選んでくれたことを賛美するマスク氏というような見出しです。カマラ・ハリス候補は「私たちは決して後戻りしない」(We Are Not Going Back!)と訴えていましたが、結局は古きよき時代に戻っていく感じですね。ミス・デンマークがそれを象徴している気がします。