カマラ・ハリスの「ワード・サラダ」が、アメリカ大統領選挙の敗北促進のためのエネルギー源となる?
「ワード・サラダ」(word salad)という言葉は、以前から使われていましたが、カマラ・ハリス副大統領が大統領候補となってから、一気に流行語となりました。
サラダというと、ヘルシーな感じがするのですが、ここで言う「ワード・サラダ」は、意味がありそうで、実は中身のない言葉を羅列しただけの話というネガティブな意味になります。決して褒め言葉ではありません。
もともとはジョー・バイデンが大統領選に出馬していたのですが、トランプとのディベートで失敗し、急遽、カマラ・ハリスが民主党の大統領候補ということになります。彼女がメディアに登場するようになって、「ワード・サラダ」が注目を浴びるようになりました。
9月10日に開催されたハリス対トランプのディベートに関しては、以前、NOTEの記事で書きましたが、この時にもカマラ・ハリスの話の空虚さを指摘しておりました。
実は、このディベートの前に、最初のインタビューとして、8月29日にCNNのインタビューに登場しています。
じつはこの時から、カマラ・ハリスの話し方、話す内容、そしてその言葉の使い方に対して気持ち悪く思っていました。アメリカのメディアも、日本のメディアも、カマラ・ハリスばかりを絶賛し、徹底的にトランプ批判を行っていました。日本のメディアには「カマラ・ハリス圧勝」という見出しが頻出しました。
共和党寄りのメディアは、カマラ・ハリスに対しては批判的でしたが、数々のユーチューバーもカマラ・ハリスの問題点と、マスメディアの偏向に対しての批判を展開していました。私も、カマラ・ハリスのような話し方をする人間は、プロフェッショナルとして失格だし、絶対に大統領のような重職についてはならないと思っているので、この機会に意見を残しておきたいと思います。
この一、二カ月でカマラ・ハリスの言語能力の欠如が露呈し、メディアが必死にそれを覆い隠そうとしてきたのですが、アメリカ人はそこまで馬鹿ではありません。カマラ・ハリスのワード・サラダに対する拒否感はどんどん高まってきています。その一例として、カマラ・ハリスの迷言や、ワードサラダという言葉を使ったTシャツがかなり出回っているんですね。
"I'm speaking"というのは、ワード・サラダではなくて、一番内容のある言葉ですが、2020年のディベートでカマラ・ハリスが、自分の話が誰かに遮られた時に言った言葉です。9月10日のディベートでは、トランプがこれを逆手に取り、カマラ・ハリスに返していたのは技ありでした。
真ん中に書いてある言葉は、私がカマラハリス構文的に書いてみたものなのですが、意味は「まず最初に私が言いたいのは、英語を勉強する際には、言っていることが理解できるような人から学ぶのが重要です。でしょ?」ということです。
つまり、カマラ・ハリスの言っていることは、普通の人には理解できないことが多いということです。テレビでも、共和党よりのFOXテレビなどは、「カマラ・ハリスの話は、英語ではあるけれど通訳が必要」とか、「カマラ・ハリスの言葉で英語を勉強しようとしてはいけない」とか言っています。
私が遭遇したカマラ・ハリスの意味不明な言葉は、“I eat no for breakfast"という言葉でした。彼女の得意なフレーズで、昔からこの言葉を使っていたようです。最初聞いたとき、意味が理解できませんでした。「朝食を食べてない」ということ?というわけではなく、「私はNOは朝食で食べてしまっている」ということなのです。これだけ聞いても理解できない人がほとんどかと思います。
カマラ・ハリスの説明から類推すると、「私はあらゆるNOという言葉、例えば、女性だからこういうことはできないとか、若すぎるからこういうことはできないとか、限界や不可能というものはすべて、朝起きたときに食べてしまう。だから私は常にポジティブで、あらゆることに前向きにチャレンジする」という意味みたいです。はて?ですよね。
「吾輩の辞書には不可能という言葉はない」というナポレオンの言葉は子供でも理解できるのですが、このカマラ・ハリスの言葉はよく考えてみないと理解できません。考えてもよくわかりません。解明したところで何か満足感のない気がします。
カマラ・ハリスは、このフレーズがとてもお気に入りのようで、時々これを得意げに使います。相手の理解におかまいなしに、ドヤ顔で言い、自分だけでギャハハと大笑いします。演説でこれに遭遇した聴衆は、きょとんとしています。インタビューでこれに遭遇したインタビュアーは、お付き合いで笑わなければいけないと思いながら、大体が苦笑いになります。面白くもないギャグにお付き合いで笑わないといけないのは苦痛です。
9月19日、オプラ・ウィンフリーとの対談が行われました。メリル・ストリープや、ジュリア・ロバーツ、ジェニファー・ロペスなど有名人もオンラインで参加しました。オプラ・ウィンフリーは、いくつかの答え易い質問を投げかけたのですが、よくわからない解答でした。
9月になって、自分が家に銃を持っているのを自慢するようになったのですが(銃規制には反対しない立場であるのを強調するため)、この対談でも自分が銃を持っていることを誇らしげに語っていました。そして不審者が家に入ってきたら撃っちゃうわと言って、ゲラゲラと笑ったのです。何かとても不謹慎な気がしました。オプラ・ウィンフリーも、冷たい視線でした。
この番組で、視聴者代表としてペンシルベニア在住の若いカップルがオンラインで質問しました。「生活費が高くなっていてとても困っている。これに対して政府はどのようなことをしてくれるんでしょうか」という質問に対して、カマラ・ハリスは、多くの言葉を費やして、得意のオポチュニティー・エコノミーの話に持っていきます。アンビションやらアメリカン・ドリームの話をしますが、この夫婦は起業して金儲けをすることを目指しているわけではないので、何か置き去りにされた雰囲気を残しながら聞いています。そして、カマラ・ハリスは自分の貧しかった子供時代の話をしだすのです。そういうことよりも、今の生活を何とかしてほしい、そのための対策を具体的に教えてほしいと思っていると思うのですが、それが伝わってきません。
また、別の若者が、「国境の安全を強化するための具体的なステップを教えてほしい」と質問しましたが、それに関してもよくわからない解答でした。この青年は一生懸命理解しようと聞いていたのですが、非常にわかりにくい表現だったので、かなりのフラストレーションが残ったものと思います。とても可哀想になりました。勇気を出して、質問しているのに、きちんと向き合ってくれていない。これだと人がどんどん離れていくのだろうなと思いました。
10月に入って、カマラ・ハリス陣営は、テレビ番組(民主党系のものに限る)に次々と登場するという作戦に出ます。これを「メディア・ブリッツ」(Media Blitz)と言います。ブリッツとは、集中投下という意味ですが、やたらインタビュー番組に出るようになります。その一つがCBSの「60 Minutes」という番組です。
インタビュアーのビル・ウィテカーは次々と鋭い質問で切り込みます。インフレや、国境問題、イスラエルの問題など厳しい質問をします。しかし、すべての質問に対して、カマラ・ハリスは、ストレートに答えることを避け、理解しにくい言葉を並べて、答えることから逃げようとします。インタビュアーは、それでも、質問の意図をもう一度繰り返し、解答を迫ります。
カマラ・ハリスはこのインタビューで評判をさらに下げるのですが、ビル・ウィテカーはジャーナリストとしての評価を上げます。しかし、カマラ・ハリスのことは、結局よくわからないままに終わるのです。
カマラ・ハリスは、いろんな番組に次々と出演します。しかし、数をこなせばこなすほど、彼女のワード・サラダが強調され、政策が具体的に伝わらず、結局はカマラ・ハリスがどういう考え方をしている人間なのかがほとんど伝わりませんでした。
対応しているメディアはいずれも民主党系のメディアで、カマラ・ハリスに対してはフレンドリーな立場なのですが、折角の機会を活かしきれなかった気がします。というか逆に能力の限界を曝け出してしまい、評判を下げることになってしまったのではないかと思います。
外国人の私ですらそう感じているのですが、アメリカ人だったらどんなにかイライラしているのではと思います。民主党には好意的であるはずのCNNなどのメディアも、最近はカマラ・ハリスを完全には庇いきれないと思い始めている感じがします。
カマラ・ハリスのメディアブリッツに付き合ったインタビュアーは、オプラ・ウィンフリーを含めて、みんな欲求不満になっている気がします。質問の意図が全く伝わらず、視聴者も満足できない時間となってしまったからです。この欲求不満は得票数の減少に繋がっていくのだろうと思います。
民主党はトランプには大統領になってほしくないので、トランプの欠点を攻撃し続けます。二つのハリケーンがアメリカに大きな被害をもたらしましたが、トランプの虚偽の情報(本来被害対策に使われる予算を、不法移民の保護に使った)拡散に責任を転嫁しようとしました。トランプを悪者にすることによって、自分たちの問題が目立たないようにするという作戦です。
民主党はかねてからトランプを「嘘つき」と呼び、何かにつけてファクトチェックをしているのですが、カマラ・ハリスがどんな間違った情報を発言してもそんなに問題にはしません。カマラ・ハリスも実は、間違った発言をしています。例えば国境問題に関しても、不法移民の流入は拡大しているのに、「半減した」と発言しています。その他にも数えきれないほどの事実誤認があります。
そういう問題もあるのですが、言っている言葉の意味が理解できないというのが最大の問題かと思います。トランプの言葉は、ときどき大袈裟な誇張や、問題発言もあるのですが、意味はよくわかります。しかし、カマラ・ハリスの言葉は意味がよくわかりません。同時通訳の方はとても困ると思います。
もし仮にカマラ・ハリスが大統領になってしまった場合、どういう状況になるのか非常に心配です。アメリカのメディアや国民とまともにコミュニケーションできない人間が、どうして外国のリーダーたちとコミュニケーションを取っていけるのでしょう。ロシア、中国、イスラエル、イラン、北朝鮮などのリーダーたちとどうやって話しあっていけるのでしょう。みんなに馬鹿にされるので、世界はますます無秩序になっていき、戦火は拡大していかざるをえないでしょう。
有事の場合、総司令官としてどうやって軍隊の指揮権を取っていけるのかもイメージがしにくいですね。少なくとも核攻撃のボタンをこの人に持たせるのは怖すぎる気がします。プレジデンシー(大統領らしさ)が欠如しているので、末端まできちんと統制できるかどうか疑問です。今回のハリケーン対応でもその不安が拭いきれません。カマラ・ハリスが大統領になった時には、責任を取らせるべきトランプはもういないのですから。
日本のメディアは、いまだにトランプを叩き、カマラ・ハリス絶賛が続いていると思いますが、民主党系メディアのみを鵜呑みにせず、目を覚ましていただき、冷静な目で世界を見て、ジャーナリズムの正義を貫いてほしいと思います。