ここまでの復習(物流システムとそれを維持するシステムたち)
多細胞生物であるヒトの体内では、「○○系」と呼ばれる「細胞グループ」が役割分担をして共生している。
全身のすべての細胞たちに酸素と栄養を行き渡らせるために、「循環器系」という物流システムがある。
循環器系は主に「ポンプとしての心臓」と、「交通路としての血管」とで構成される。
突然ポンプ機能が著明に低下すると、全身の酸欠(ショックといいます)が起こる。
心臓が止まってしまうことを心肺停止(心停止)と呼び、一番敏感な「脳」は数分以内にダメになってしまう。
「呼吸器系」が物流システム中(血液)のガスをキレイに保つ
心臓と肺の機能を合わせて心肺機能と呼ぶ。実際には、心肺機能には「全身の酸素取り込み効率」なども関与しているものの、この酸素を取り込み全身に運ぶ機能こそがヒトの「土台」となる機能であることに間違いはない。体力と言い換えても良い。
それくらい大事な酸素なので、常に供給し続けなければならない。そのため、ガス交換(酸素取り込み&二酸化炭素排出)は呼吸器系が絶えず行っている。
「消化器系」が食餌中の栄養を細かくして、物流システム(血液)中に取り込む
口から肛門までの消化管は、外界と繋がっており「体外」として扱う。
そのため、微生物が侵入してこない仕組みがある。また腸内には共生している微生物がいる。
口から咀嚼・嚥下された食餌は、食道を経て腹部に送られる。
まず、胃・十二指腸で「吸収されやすいように下準備」される。
そして、腸で吸収され、血液中に送られる(実際には肝臓という代謝専門の臓器を経由する)。
今は詳しく述べないが、ヒトが口から摂取する食餌の栄養が常にバランスが取れているとはかぎらない。体内の代謝システム(特に「肝臓が代謝の大御所」)が、このアンバランスを調整している。
「腎・尿路系」が物流システム(血液)中のゴミを体外に尿として捨てる
腎臓は、大胆にも、物流システム内の小さな物質をすべて一気に放り出す(糸球体濾過)。
放り出した物質のなかから「本当に大切なもの(ときめくもの)」だけを「再吸収」することで、結果的に残りのゴミを一気に捨てる。
この作業には、一定の水分量が必要。そもそも、腎臓に血液がちゃんと流れてくることが必須。
つまり循環器系がうまくいっていないと腎・尿路系は機能しない。
そのため、腎臓は循環器系とも連絡して体内の水分バランスや、血圧も保とうとする。