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今から来年度看護国試に備えたい人へ〜114国試解説②
【第117回 午前 問7】--胎児循環の特徴に関する問題--
胎児循環で酸素を最も多く含む血液が流れているのはどれか。
臍静脈
臍動脈
肺静脈
肺動脈
【背景テーマの解説】
胎児循環では、生後の循環とは大きく異なり、胎盤が「肺の役割」を果たしています。そのため「血管名」と「血液の性質(動脈血か静脈血か)」が、通常の循環とは逆転している血管があることが特徴です。この問題では、その理解が問われています。
【選択肢の考察】
臍静脈:胎盤から胎児へ酸素と栄養を運ぶ血管。名前は「静脈」だが、最も酸素化された血液(動脈血)が流れている。
臍動脈:胎児から胎盤へ二酸化炭素と老廃物を運ぶ血管。名前は「動脈」だが、酸素の少ない血液(静脈血)が流れている。
肺静脈:胎児期は肺呼吸を行わないため、ほとんど血液が流れていない。
肺動脈:胎児期は肺呼吸を行わないため、大部分の血液が動脈管を通って大動脈に流れる。
【正答】1
【セットで押さえよう!】
胎児循環の特徴を理解するポイント:
・胎児にとっての「肺の役割」は「胎盤」が果たす
・臍帯の血管は名前と中身が逆:
臍「静脈」→酸素rich(動脈血)
臍「動脈」→酸素poor(静脈血)
この問題は出題頻度の高い胎児循環の基本的な理解を問う良問です。臍帯の血管の名前と実際の血液の性質が「逆」になっているという点をしっかり覚えておきましょう!