Vino de Pago (2019.03.14)
先日の伊勢丹ワインフェアで購入したスペインの赤を開けてみた。
日中暖かくなってきたとはいえ、日が沈むとまだまだ寒いこの時期、ふと赤いワンが飲みたくなった。普段はこうした衝動をふいにしてしまうが、この時は何となく購入したテンプラニーリョ、Pago Florentino 2015があったので、これ幸いと開栓した。
自分でもテンプラを買うとは思わなかったが、このワインは試飲した時に何か他と違うものを感じた。値段も程々だったので、酔った勢いもあり、カゴに入れてしまった(酔いが覚めて後悔したが...)。
飲む前に調べてみると、ワインの格付けは「Vino de Pago」であることが分かった。Vino de Pagoとは、スペインワインの原産地呼称制度で頂点に位置し、他と一線を画す特別な風土の特定の畑にのみ与えられる称号のことだ。
生産地はスペイン本土中央のラマンチャで、原産地呼称では通常はLa Mancha D.O. を名乗ることになるが、特定の畑から生まれたこのワインはPago Florentinoというモノポールを名乗れる。
鼻を近づけると、レーズンや干しイチジクなどのドライフルーツの甘い香りが迎えてくれる。奥には、ブルーベリー、ブラックベリーの黒系果実と、甘草、丁子にタバコのスパイシーな香りも。ミディアム・フルボディでシルキーな舌触り、酸味は控え目だが間延びはしていない。
ただ、フィニッシュは思いの外短く、香りの発展も乏しい。決してオーキーではないが、(アメリカン)オークと思しき甘い香りもどこかあざとさを感じてしまう。
しかし、トータルで考えると、3,500円の価値はあるのではないだろうか。ブルゴーニュでモノポールものを買おうとしたら、この値段では買えない。豚とキノコの甘辛炒めにもピッタリだった。
調べてみると、Vino de Pagoの数は2018年時点で17あり、ちょこちょこ増えているようだ。今回で多少勝手が分かったので、次を探してみようと思う。
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