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ワイヘキ島 (2019.03.01)

本日はワイヘキ島でワイナリーツアーに参加した。

ワイヘキ島はオークランドの港からフェリーで40分程度の所にある島だ。私は昨年南島(Blenheim)と北島(Wellington)をフェリーで移動したときの揺れがひどかったことを思い出し、若干恐れていたが、今回の船旅は十分に景色を楽しめる程穏やかだった。

私はずっと島のワインに興味を持っているのと、日本でも公開された「HIP HOP-ERATION」という映画が素敵だったこともあり、是非行きたいと思っていた。今回実際に訪れてみて、ワイン好き以外の方にもお勧めできると島だと確信した。

島に着くと白髪のお姉さまが「TASTE OF WAIHEKE」というツアーボードを持って待っていた。「3番ゲートを通って左に出たところに白いコーチがあるから」と言われ、それに乗り込んだ。乗車の際バス運転手がいないことに気付いたが、実はその女性がツアーガイド兼ドライバーだった。私含め30人くらいツアー客がいたが、よくやるなと感心した。

今回は以下の順にワイナリーを回った。

① Stonyridge Vineyard
② Rangihoua Estate (オリーブオイル)
③ Batch Winery
④ Mudbrick Vineyard

今回も前回と同じようにまとめようと思う。

Stonyridge Vineyard ★★★★
ワイヘキ島のワイナリーは基本的にどれもブティックワイナリーだが、最初に訪問したこちらは正にそんな感じのワイナリーだ。バスを降りて出迎えてくれたお姉さんが、笑顔と共にもてなしてくれたのはソービニヨンブラン。メトキシピラジンの香りが控えめで、自分にはちょうど良かった。

この後同じお姉さんが、敷地内を案内してくれた。商品に使うことはないそうだが、オリーブと共にコルク樫も植えられていた。葡萄畑は粘土質なので、保水力が高く灌漑が不要ということだ。

このワイナリーに限らず、バスから見える範囲ではどの畑でも灌漑はしていなかった。ワイヘキ島は水の確保が難しく、所々で節水を呼び掛る看板も立っている。雨が一月降らないこともよくあるようだ。

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私はランチにLaroseというフラッグシップのボルドーブレンドを注文した。お姉さんがボルドー6品種を全て使用したプレミアムな逸品と宣伝していたので、乗っかってみた。グラスで18NZ$だったが、これはNZの相場的には結構良い値段だ。

確かに、所謂高いワインであることは分かる。決して軽い訳ではないが、ボルドー程重くなく、黒い果実と赤い果実の香りが混ざり合ってすーっと鼻に抜ける、力強くも繊細なワインだ。

ボトルの値段をショップスタッフに確認するとビンテージによって違うということ。これはボルドーでは当たり前だが、NZでは珍しい。そしてプライスリストを見せられたが、最低でも350NZ$くらいする。

このワイナリー、本気でボルドーを、ひいてはフランスを意識している。GSMV(グルナッシュ、シラー、ムールヴェードル、ヴィオニエ)とマルベックも作っており、どちらも100NZ$オーバーだ。

Larose以外のワインも良いワインに違いないと思ったが、心の準備が出来てなかったため、残念ながら購入は見送った。だが、最後にワイナリーキャットに会えて満足した(笑)

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② Rangihoua Estate ★★★
2件目に訪問したのは、オリーブオイル工場。ただし、Hay Paddoc Wines というブランドのワインも置いている。ここでは、オリーブオイルの製造工程をDVDで見た後、オリーブオイルの試飲(パンにつけて)とワインの試飲(有料オプションー赤ワイン2種)を行った。

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実は4件全てに共通していたのだが、このときあることに気が付いた。どのワイナリーもプレミアムではない、ノーマルレンジの赤ワインには(全てのワインがそうではないが)ホークスベイ産の葡萄を使っているのだ。

ホークスベイはNZでマールボロに次ぐ第2のワイン産地である。一歩郊外に出ると、羊と野鳥保護区とブドウ畑しかないような所だ。確かにワイヘキ島は土地が少ないので、他の産地の葡萄を使う必要があるかもしれない。また、ワイヘキ島はボルドーブレンドやシラーを作るワイナリーが多いので、同じような傾向のあるホークスベイを葡萄供給源として利用するのは、よくよく考えれば自然なことかもしれない。

Batch Winery ★★★
最初にウェルカムドリンクとして頂いたのは、シャルマ方式で作られたピノ・グリだった。小さいワイナリーなので、シャンパーニュ方式で作るワインを何年も保存しておく場所が無いということを説明してくれた。

このワイン、泡はシャンパンのようにきめ細かくはなかったが、酸と甘さのバランスが取れており、アペリティフには持って来いだと感じた。

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しかし、ここのウリは何といてもお姉さんのトークとペアリングだ。フランス出身のお姉さんはヘッドセットをして、ワインの説明からワインとフードの提供とパワフルにこなす。兎に角トークが半端ない。グイグイ引き込まれ、感動を覚えるレベルだ。StonyridgeといいBatchといい、優れたスタッフに支えられていることが分かる。

ウェルカムスパークリング以降に飲んだワインは全てフードと共に供された。定番だが、ロゼとクラッカーに乗ったサーモンクリームチーズとの相性は抜群だった。最後の1ピースを金髪のマダムに目の前で持って行かれたときは本当に悔しかった。

後でワイナリーのHPを見てみると、High Teaも提供していることが分かった。なるほど、だからフィンガーフードと合わせるペアリングのレベルが高いのか。

Mudbrick Vineyard ★★★★
最後に訪れたのは、標高の高い丘に位置し眺望抜群のこちらのワイナリーだ。ここでもStonyridgeと同様、最初にウェルカムドリンクとしてソービニヨンブランが供された。

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その後、かなり勾配のある斜面を登ってメルロが植わっている畝まで行き、そこでロゼが供された。このロゼにはメルローとシラーが使われているが、皮が使われるのはシラーのみとのこと。後で理由を聞いたところ、次のように答えてくれた。

シラーはリンゴ、メルローはキャラメル、我々は甘い香りは必要ないので、シラーだけを使う」

個人的には、シラーのスパイス的な要素が重用されたに違いないと考えていたので、予想は外れたが1つ勉強になった。

この後施設内のワインショップに行き、ボルドーブレンドのリザーブをテイスティングした。ツアーの途中おじちゃんが素晴らしさを熱弁していので、どんなものか聞いてみたところ、無料で試飲させてくれた。

正直最初のワイナリーで飲んだLaroseの方が上だったが、75NZ$で品質自体は高く、「寝かせろ」と言うもんだから、思い出をしまっておくにはちょうど良いと思い1本購入した。尚、ここのフラッグシップはVelvetというワインで、750NZ$もする、それでも売り切れているが...

最後に、ここのワイナリーは宿泊施設も2棟あり、この日はウェディングも行われていた。ツアー参加者と共に遠くから眺めて、幸せのおこぼれに預かった。

本日の総括としては、月並みな表現だが、素晴らしいツアーだった。個人的に興味深かったのは、斜面にブドウが植えられていることだ。どこが?と思われるかも知れいないが、これはNZでは当たり前という訳ではない。ワイヘキ島は斜面しかないような所なので当然と言えば当然だが、例えばホークスベイでは斜面はそこら中にあるのに、葡萄が植えられているのは基本平地なのだ。

この疑問に対し、ある老舗ワイナリーのチーフワインメーカーを30年務めている人に思い切って聞いてみたのだが、彼の答えは「費用」だった。斜面では機械が入り辛いし、全て人手の作業となると人件費が嵩む。NZは人件費が高い。確かに言われてみれば納得だが、多少がっかりしたことを覚えている。

ワイヘキ島は斜面に葡萄が植わっている。正直私はこれだけで十分楽しかった。ヨーロッパとの大きな違いは畝全体がネットで覆われていることだ。NZでは鳥の被害が甚大なので、殆どのワイナリーが防鳥ネットを被せている。この点に関してはワイヘキ島も例外ではなかった。

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ワイヘキ島はワインの聖地だが、ワイン以外でも楽しめることは沢山ある。美しい砂浜を散歩するも良し、ヨットで釣りをするも良し、サイクリングするも良しだ。私も是非また訪れたい。でもきっと、今回とは違うワイナリーを巡っているのだろうが...❢


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