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シュトゥットガルトで出会ったドイツワイン

2024年7月、2年間の海外生活の最後に訪れたのはドイツでした。友人を訪ねてドイツ南西部の都市シュトゥットガルトへ。
(ここに至るまでの旅行の様子は、「ブルゴーニュ(ディジョン、ボーヌ)ワイン旅」と「アルザス(ストラスブール、コルマール)ワイン旅」をご覧ください。)

事前に調べた情報だと、このシュトゥットガルトという街は、メルセデス・ベンツとポルシェの本社があるということで自動車産業のイメージ。(あとは欧州サッカーファンなら以前に遠藤航や岡崎慎司が所属していたVfBシュトゥットガルトのイメージでしょうか。)まさかワインを満喫できるとは夢にも思わず…


偶然と直感

フランスのストラスブールを朝8:42に出発し、直行の高速鉄道で10:04にシュトゥットガルトに到着。ヨーロッパは思った以上にコンパクトです。夕方に友人と会うまで時間があったので、このワイン旅に相応しい行き先はないかと「Stuttgart wine」とGoogleマップで検索…

するとwineやweinと名の付く施設がいくつか出てきました。その中で特に気になったのが、

"Weinbaumuseum Stuttgart"

ドイツ語は読めないものの、ワインバウム…ミュージアム…?ということでこちらに行ってみることにしました(ググってみると、日本語では「ワイン博物館」や「ワインバウム博物館」と紹介されているようです。)。

電車で最寄り駅に着くと既にブドウ畑が一望できる景観で、期待感を高めてくれます。

そしてバスで山を登って、最寄りのバス停へ。ワイン博物館は雰囲気の良い一角にありました。シュトゥットガルト中央駅から電車とバスを乗り継いで40分程度と、思ったよりアクセスもよかったです。

こんなところに日本人

中に入ると正面に受付があり、スタッフの方が一足先に来ていたお客さんに施設の説明をしていました。どうやらこのスタッフの方、ドイツ語よりも英語が堪能な様子…もしや?と思ったので、「こんにちは」と話しかけてみると、なんと日本人でした!

この方に教えていただいたところによると、このワイン博物館は、シュトゥットガルトの観光局が運営していて、シュトゥットガルトに51あるワイナリーのうち、その半数ほどの小規模な生産者のワインを取り扱っているとのことです。

博物館の名のとおり、ブドウやワインに関する展示がこの施設の大部分を占めています。しかし、何よりこの施設が素晴らしいのが、かなり安価でワインの試飲ができること!メニューを見ると分かるように、100mlという試飲にしては太っ腹な分量をわずか3ユーロから購入できます。

ロゼワインとスパークリングワインのメニュー
白ワインのメニュー
リースリング、リヴァーナー(ミュラー・トゥルガウのシノニム(別名))、ソーヴィニョン・ブラン、シャルドネ、ブラウブルグンダーなど見聞きしたことのある品種が並んでいます。
赤ワインのメニュー
トロリンガー、レンベルガー、ツヴァイゲルト、シュペートブルグンダー(ピノ・ノワールのシノニム)などドイツらしい品種が並びます。

シュトゥットガルトワインを堪能

ということで、博物館自体の見物は軽めに、この日は(この日も?)昼からワインに取り掛かります。日本人スタッフの方は、元々ワインが趣味だったようで、日本のワインエキスパートの資格も持っていました。その方に話を聞きながら飲んだワインは…

リースリング(白):イメージどおりドライでした。最近はドイツも温暖になってきているので、ドライなリースリングが造られるようになっているとのことです。
トロリンガー(赤):かなり軽口で、ロゼみたいな印象でした。
レンベルガー(赤):華やかさがありつつも、タンニンを感じました。スパイシーさはないのですが、系統としては、ジュヴレ・シャンベルタンに近く感じました。
ソーヴィニョンブラン(白):ミネラル感強めで自分好みの味。購入して日本に持ち帰りました。(※試飲で提供されているワインは、在庫があればボトルで購入することができます。)
ムスカテラー(ゼクト(スパークリング)):おそらくマスカットの一種。ただ、補糖なしとのことで辛口ですっきり飲めました。
リヴァーナー(=ミュラー・トゥルガウ)(白):甘めですが、仄かなドライさも感じました。女子ウケしそうなワインでした。

振り返ってみると、計6杯。それに加えて、オーダーするワインを決める前に少量テイスティングさせてもらったりもしましたので、多分ボトル1本分くらいはテイスティング(がぶ飲み?)しました。
私がワインエキスパートの勉強をしているという話をすると、会話の中でドイツワインの知識も問われたりして、冷や汗もかきつつワインを楽しみました。気づいた時にはワイン博物館に着いてから2時間以上が経過していました。

購入したワインです。

軽く山登りからの絶景

帰り際に、ワイン博物館のスタッフ(先述の日本人や他のドイツ人の方々)に他のオススメ観光地を聞いたところ、近くにチャペルのある高台があるとのこと。ほろ酔い状態だったので、酔い醒ましも兼ねて行ってきました。

最初は緩やかな坂道を登っていきます。

道中で見かけたtina’s trollingerstub’というレストラン。
なぜ写真を撮ったか思い出せませんが素敵な外観です。

次第に急な登り坂に…結構しんどくて早々に酔いも醒めてきました。

ブドウ畑を間近に見られました。何の品種でしょうか?

そして登ること20分。目的地のSepulchral Chapel on Württemberg hillに到着しました。

チャペルは閉館間際だったので中には入らず。しばらく高台からの景色を眺めました。こちらがその景色…

シュトゥットガルトの市街地方面。
手前の丘のブドウ畑が日当たりがよさそうで、きっといいブドウを作っているのだと思います。
市街地とは反対側。こちらから登ってきました。
のどかなブドウ畑と小さな街の風景がエモいです。

ご覧のとおり360度見渡せる見晴らしで、どこからでもブドウ畑を見ることができました。この街にワインが根付いていることを知る寄り道となりました。

もしシュトゥットガルトに行く機会があれば、是非Weinbaumuseum StuttgartSepulchral Chapel on Württemberg hillも訪ねてみてください。

(冒頭の写真:シュトゥットガルト市街地のフォイアーゼーという公園。写っている建物はヨハネス教会というそうです。)

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