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ワインの適温、飲み頃温度


本稿はワインビギナーの方向けに作成しました。
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まとめ
・白赤ロゼ泡の飲み頃温度帯には諸説あるが概ね近い範囲
・裏ラベルに記載があればお勧め通りに、なければざっくり以下を目安に
白 → 辛口は11℃前後、甘口は7℃前後
赤 → 16℃前後
ロゼ → 11℃前後
泡 → 7℃前後
・神経質に温度管理する必要はなく、冷蔵庫に入れておく程度で十分

こんばんは、じんわりです。

 「ワインには飲み頃温度があるって聞くけど、飲み頃温度はどれくらいなの?」とお考えになったことはありませんか。

 まずの飲み頃温度の話題の前にワインの保管について。劣化が進むため高温での保管は勿論アウトですね。では低温はといえば、凍ってしまうほどでなければよいでしょう。とすれば冷蔵庫に入れておきましょう、ということですね。ワインの長期的な保管管理にあたっては温度コントロールや湿度や振動の懸念から家庭用ワインセラーで保管するのが理想的でしょうが、余程の高級ワインでなければ、買って冷蔵庫に入れて早めに飲む、で十分ではないでしょうか。

 さて、本題に移りましょう。ワインをどのれくらいまで冷やせばよいかは究極的にはワイン個々で違うでしょうし、季節によっても多少違うかもしれません。また、「私は赤でもキリっと冷やす派」「冷蔵庫から出して数十分は置いておく派」など、個々人のお好みもあるでしょう。

 ワインの味わいの要素の感じ方について、甘味は温度が上がれば感じやすくなる、苦み渋みは温度が上がれば感じにくくなる、酸味の感じ方は温度が上がっても下がっても変わらないとされますが、「冷旨酸」(酒石酸、リンゴ酸、クエン酸など)、「温旨酸」(乳酸、コハク酸など)という概念もあり(これら有機酸は一般にワインに含まれる酸です)、酸味に関してはやや複雑です。

 上述の甘味・酸味・苦み・渋みの4要素をそれぞれ個別に考えるよりワイン総体としての味わいと温度の関係を大まかに捉える方が混乱が少ないのではないでしょうか。ワインの品温が下がるとシャープで締まった印象を受ける傾向があり、品温が上がると味わいはまるくなる、ゆるくなる傾向にあるように感じます。

 しかし、弊ブログでお勧めする1本¥2,000前後のワインなら、後にも述べますがざっくりの温度管理でよいかと思います。例えば冷蔵庫に数時間突っ込んでおいて飲みたいときに出して飲むようなラフな感覚です。・・・で、終わってしまうと愛想も何もないので、もう少しだけ掘り下げましょう。

 飲み頃温度は究極的には個々人の好みですが、一般に理想とされる温度がどれくらいなのか見ておきましょう。国内外のいろんな情報ソースをざっと見たところ細かい数字に違いはあるものの、白赤ロゼ泡のタイプ別では概ね以下のような温度が理想的でしょうか。


・白 → 辛口は11℃前後、甘口は7℃前後
・赤 → 16℃前後
・ロゼ → 11℃前後
・泡 → 7℃前後


 確かに僅か2-3℃の違いであってもワインの味香りの感じ方は大きく変わることがあります。
 飲み頃温度というと私がプロとして駆け出しの頃、お世話になっている業界の大先輩にレストランに連れて行ってもらったときのことを思い出します。我々はミディアムボディの赤を注文しました。結構いい値段だったと記憶しています。

 初夏のテラス席で料理を待ちながらその赤ワインを飲んでいると、件の大先輩は水の入ったグラスからおもむろに氷を1個取り出しワイングラスに入れてしまいました。それに驚いた私が「氷いれちゃったらワイン薄まりません?」聞くと、「多少薄くなっても氷を入れて温度を下げる方がよりおいしくなると感じて入れてみた。ワインの品温が少し高いと感じたのでね。」
 私も真似して氷を入れて飲んでみました。確かに氷を入れる前は“くぐもった”感じ、もしくは“ゆるい”印象だったワインが、氷を入れてからはより引き締まってフルーツの味香りも感じやすくなっている、なるほど・・・。お高い赤ワインに氷を入れてしまう荒業には批判のお声もあるでしょうが、飲み頃温度の大切さ学ぶことが出来た貴重な体験でした。

 前述のように飲み頃温度に拘ることでワインがより美味しくなることもよくあることですので、凝り性で探究心の強い方は温度計片手に同じワインを異なる温度で飲む実験をされると新しく面白い発見があるかもしれません(サントリーの公式サイトで似たような実験結果がupされていますね)。弊サイトがお勧めする1本¥2,000前後のワインであれば、こだわって2-3℃の違いに気を遣うよりも、冷蔵庫でしっかり冷やして抜栓、ゆっくり楽しく飲んでいく、ぬるく感じてきたらまた冷蔵庫に入れる、という感じの気軽でラフな付き合い方でもいいのではないかと思います。「飲み手が主役、ワインは脇役」ですから。

さんて!

じんわり

参考文献:
戸塚ら、新ワイン学、2018

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