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ワインの穴場:近所の酒屋さんを攻略する


こんばんは、じんわりです。

 みなさんはワインをどこでお求めになりますか。

 コンビニ?スーパー?大型酒販店?デパート?それともeコマース?

 価格、選択肢、即時性、アドバイスの有無、安心感、保管管理の徹底度など、それぞれに一長一短がありますよね。

 では「近所の酒屋さん」という選択肢はおありでしょうか?

 30年程前までは町のいたるところに見られた所謂「近所の酒屋さん」ですが、1989年から2006年の一連の規制緩和により酒類小売市場が激戦区と化したことや、商店街のシャッター通り化やコンビニの隆盛といった昨今の社会現象からもわかるとおり、現在は「近所の酒屋さん」が儲からない時代になってきているように思います。

 事実、平成18年から平成29年(本稿執筆時点での国税庁最新調査年)の約10年間で私がイメージする「近所の酒屋さん」の数は約半減しています(*)。この間、町場の小規模な小売店という業態に未来が感じられず、後継者が立たず畳まれてしまったお店も少なくないでしょう。

(*)国税庁の調査による酒類小売業中小企業者割合
 平成18年 43,684者(1)
 平成29年 20,274者(2)

 (1)資本等の額が5千万円以下の会社並びに従業員の数が50人以下の会社及び個人
 (2)資本金又は出資の総額が5千万円以下、又は従業員の数が50人以下の会社、従業員の数が50人以下の個人

 そんな時代の流れにもかかわらず、この30年をしぶとく生き抜いてきた、さらには利益を伸ばし成長してきた猛者達もいらっしゃいますね。自店商圏内の競合であるスーパー、コンビニや比較的大きな酒類卸売業者と互角に渡り合ってきた彼らには共通して何等かの強みがあると考えるべきでしょう。その強みとはワインの目利き、品揃え、専門性、こだわりといった要素ではないかと思うのです。

 「ワインに強い酒屋さんが私の家の近所にあるはずがない」とのご意見も聞こえてきそうですが、地方都市以上の人口密集地であれば、デキる酒屋さんは意外に近くにあったりしませんかね?

 私の場合ですが、何らかの交通手段を使って片道1時間程度で辿り着ける「近所の酒屋」さんの選択肢が3~4軒あります。それぞれお店の特徴もワインの品揃えも異なるので気分や用途に合わせて使い分けるようにしています。

・・・あ、片道1時間かかったり公共交通機関を使うレベルは近所じゃないですかね?(笑)

 楽しいんですよね、なんだか。1時間かけてでも行きたくなるし、新たに探したくもなる。私にとっては夢の国と言いますか。近所の酒屋さんには量販店やメジャーなワインショップで見かけないようなワインが並んでいることが多々あります。コスパが高いものもあったり。新しい出会いや発見があるのですね。

 初めての酒屋さんに一見で飛び込んで、全く新しいワインと出会う。試しに買ってみる。飲むと美味しかった。新しい発見ができて嬉しい。次は別のワインを買いに行こう、この酒屋さんの審査をパスしたワインなら期待できる・・・、というような感じでしょうか。
 
 SNSで称賛されたワインの銘柄をeコマースサイトで発注するというのも効率的で賢いワインの調達方法であると思います。

 それとは別に、おいしいワインの“ナビゲーター”を探すために、新しい出会いと発見を楽しむために、足を使って近所の酒屋さんを発掘・開拓するというアクティビティがあってもいいのではないかと私は思うのですね。

 家を出るところからワイン&酒屋さん探しという冒険ごっこが始まるイメージでしょうか。ワイン近所ツーリズムといいますか(笑)


 失礼な言い方になってしまいますが、デキる近所の酒屋さんほど外見からはそこはかとなく廃れ臭が漂う傾向にあると私は感じています。冒頭のタイトル画像みたいなキラキラ感がないのですね。

 デキる近所の酒屋さんに共通しがちな特徴を列挙してみます。あるある的発想で書いている部分もあるので、冗談半分本気半分でお読み下さいませ。

 店名が〇〇商店とか〇〇屋
 外観その1:まるで秘密基地
 外観その2:お店がやっているかやっていないかわかりにくい
 店内その1:ドンキのような陳列
 店内その2:(1とは対照的に)陳列がやや疎ら
 店内その3:お客さんが疎ら、ていうか自分以外いない
 店内その4:売り場面積が狭い
 店内その5:薄暗い
 手書きの値札
 店主さんやコア店員さんが気難しそう
 スーパー、量販店、大手専門店で見かけないワインを置いている
 そんなワインを買って飲んでみるとおいしい
 その後、足繁く通っても塩対応(´・ω・`)


 最後の塩対応はおふざけです。足繁く通っていれば店員さんとも何かのきっかけを境に自然と仲良くなっていくでしょう。仲良くなったらいろいろ教えてもらえるのではないでしょうか。

 ワインに強い近所の酒屋さんを見つけたら、まずは勇気を出してワインの相談をしてみては如何でしょうか。きっと彼・彼女らは最良のワインナビゲーターとなってくれるでしょう。


さんて!

じんわり

引用:
南方、酒類小売規制の緩和による酒類小売市場の変化、発行年不詳
国税庁、平成18年度酒類小売業者の経営実態調査
国税庁、酒類小売業者の概況(平成29年度分)

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