【 特別編#4 Mr.ペアリング2022〜醸造家への道エピソードvol.4〜】
2022年〜2023年4月まで、マザーバインズ醸造所でワイン醸造の勉強をさせていただいております。
前回の記事でも書かせていただいた、日本ワインの父、川上善兵衛さんが産み出したマスカット・ベーリーA。
僕たちの農場でも育てているこの葡萄の話の続きを少しだけ。
山梨を中心に日本の各地で育てられる、日本ワインを語る上で絶対外せない品種ですが
「フォクシー香(フォクシーフレイバー)」
と呼ばれる香りが、ネガティブにとられることが多々あります。
キャンディー、ジュース、麝香、毛皮などの香りに例えられることが多いです。
マスカット・ベーリーAは、ランブルスカ種(※バックナンバーで葡萄の種類について軽く触れてます)という北米をルーツに持つ生食用品種であり、ヨーロッパではランブルスカ種でワインを仕込むことはありせん。
なので、
「フォクシー=ネガティヴ」という表現になったのかなと思います。
フォクシー香は、芳香性化合物の観点からいうと、
アントラニル酸メチル、ο-アミノアセトフェノン、を軸に、
フラネオール、4-メトキシ–2,5-ジメチル-3-フラノン
などの化合物が複雑に重なり合い、マスカット・ベーリーA特有の香りを生み出していると言われています。
ヴィティス・ヴィニフェラ種から造られるものがワインの伝統であり、文化である。
これが実際ブランドになっている生産地が沢山あるので、そういった方からはネガティヴな表現になりますが
自分のようにマスカット・ベーリーAも大好きだぜ!って方には、フォクシー香は個性と捉えていけると思います。
マスカット・ベーリーAだけではなく、
デラウェア、ナイアガラ、ブラック・クイーンなど、アメリカ系の品種やハイブリッド種においても、素敵なワインが生まれてきてます!!
ワインの歴史や文化、伝統を学びながら、
多様性も楽しんでいきたいですね😊
次回は、 Mr,ペアリングが選ぶマスカット・ベーリーAワイン3選!!を発表します!!