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元オーパス・ワン エノロジスト Paul Hobbs(ポール・ホブス)のお話②

こんばんは。
先週に引き続き、ポールのお話しです。
3部作となっておりますので、読み応えたっぷりです。
ここからは、詳しいワインのお話となります。
しかも、みんな大好きピノ・ノワールのお話です!!

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《ピノ・ノワールの畑編》
前回に引き続き、ポールが、3つのピノ・ノワールについて試飲しながら語ってくれました。


①Pinot Noir Hyde Vineyard Carneros Napa Valley


1991年にポールがワイナリーを設立した当時、自社畑をひとつも所有しておりませんでした。
しかし、当時から、ラリー・ハイドなどのナパやソノマで超有名な栽培農家などとの付き合いがあり、素晴らしいブドウを手に入れておりました。
ラリーは、DRCで働いていた経験があるので、ブドウもカリフォルニアらしさがありつつも、フランスに負けないブドウを作っていた優秀な栽培家です。また、主にナパとソノマにまたがるカーネロスのナパ側のカーネロスのブドウを栽培しております。カーネロスは、一般的に冷涼ですが、ソノマ・コーストなどのとても冷涼な沿岸部に比べると少し温暖です。

②Pinot Noir Katherine Lindsay Estate Russian River Valley


ポールの最初の自社畑は、曽祖母の名前を冠した
『キャサリン・リンゼイ・ヴィンヤード』です。ニューヨークにファームを設立してくれた、曽祖母への敬意を表して名付けました。98年に畑を購入し、2000年に植樹、2003年にワイナリーが完成。畑の周りには、レッドウッドやダグラスファー(松)の木が生い茂っているのですが、それらの木は保水性が高いのですが、地下水があったり、湿度が高いという事から、水の心配や火事の心配があまり無い、畑となります。
ロシアン・リヴァー・ヴァレーは、内陸に位置してまして、グリーン・ヴァレーなどを除くと、ソノマ・コーストやカーネロスに比べて、少し温暖となります。


③Pinot Noir Goldrock Estate Sonoma Coast


このゴールドブロックの畑は、2016年がファーストリリースの新しいピノ・ノワールです。セバストポルの街からは、車で90分、ヘリで20分という人里離れたエリアとなります。太平洋からの距離は、8キロ程で、海抜約168mの険しい山々に囲まれた畑です。景色が綺麗なところですので、ハイキングや美味しいオーベルジュのようなレストランもあります。
曲がりくねった山道を車で向かうので、車酔いに強いスタッフも、ゴールドブロックの畑に向かうとすぐに車酔いをしてしまう程の場所となります。

《ピノ・ノワールに関して、その他》


・キャサリン・リンゼイやゴールドロックは、灌漑の必要がなく地下水が豊富。
・ハイドは、暖かさもあり、早くから楽しめる。
・人里離れた畑を所有するという事は、その畑に
 駐留してもらうスタッフへのモチベーションが重要。
・ブドウは意外に、寒い方が実が小さくなり、
 結果としてワインの色調が濃くなる。

その③に続く…