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「風の歌を聴け」強い人間なんてどこにも居やしない。

村上春樹さんのデビュー作である「風の歌を聴け」を先日読みました。
もう何度も読み返している作品の1つです。
読み返すたびに、強く生きようと思う小説です。
特に、小説内のこの一節が、何度も僕の心を強くしてくれています。

でもね、よく考えてみろよ。条件はみんな同じなんだ。故障した飛行機に乗り合わせたみたいにさ。もちろん運の強いのもいりゃ運の悪いものもいる。タフなものもいりゃ弱いのもいる、金持ちもいりゃ貧乏人もいる。だけどね、人並み外れた強さを持ったやつなんて誰もいないんだ。みんな同じさ。何かを持ってるやつはいつか失くすんじゃないかとビクついてるし、何も持っていないやつは永遠に何も持てないんじゃないかと心配してる。みんな同じさ。だから早くそれに気づいた人間がほんの少しでも強くなろうって努力するべきなんだ。振りをするだけでもいい。そうだろ?強い人間なんてどこにも居やしない。強い振りのできる人間が居るだけさ。

「風の歌を聴け」

どんな人も、死ぬまでなにかしらの不安を常に持つんじゃないかと。自分だけじゃなくて、他人も大なり小なり不安を抱いている。

この一節を読むたびに、気持ちだけでも、少しでも強くなろうと思います。僕個人としては、他人と比較せずに、世間一般のレールを外れてでも自分がやりたいことをやろうと思い返すきっかけになっています。


豊岡_本屋_wind-up bird_村上春樹_風の歌を聴け


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