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語り継がれていく~横浜DeNAベイスターズ~

26年前の10月、まだ故郷で仕事をしていた私は、勤務先の上司に散々なことを言われながらも、開通したばかりの新幹線に飛び乗った。
背中に背負ったカバンの中には、1998年日本シリーズ第6戦のチケットが3枚。一緒に観戦する仲間は、横浜在住、根っからのハマっ子ふたり。声をかけたら、即座に返事が来た。
「もちろん、観に行く!」
チケットを何度も何度も確認して、大事にしまい込む。
ずっとファンだった球団が、38年ぶりの日本一を賭けて、大舞台に挑む、その様子を間近に見られる、しかも、第6戦までもつれ込んでの大接戦。もう、いてもたってもいられない!
勤務先の直属の上司は、かなりの偏屈者であり、さらにプロ野球が大嫌いということがこの時点で発覚、もう、本当に散々。今の時代だったら、完全にアウトな上司だったのだが、もうひとりの上司が穏やかに取りなしてくれたのが幸いだった。
「行っておいで。日本シリーズのチケットを手に入れるのも大変だっただろうし、おまけに応援しているチームが38年ぶりの大勝負なんて、なかなか見られないだろ。行ってこい」
苦い顔をする上司Aさんをしり目に、私は上司Bさんにアタマを下げた。

そして、私は、1998年日本シリーズで、横浜ベイスターズの38年ぶりの日本一を目撃する。
大歓声に包まれた横浜スタジアムで、あの瞬間を見届けることができたひとりともなった。

あれから26年。
チーム名に「DeNA」がついてからは、なかなか試合を観に行けることもなく……神奈川県に引っ越してきながらも、これまた生活に追われて、なかなか観に行けず…

1998年には現役バリバリだった、ばんちょ…三浦くんが「監督」、石井タクさんやタカノリくん、相川くんもコーチとして在籍、フロントにも1998年優勝経験組が在籍している…あの頃とはまったく違ったチームになり、DeNA傘下になってからは、すっかり綺麗に整備されて「ボールパーク」となった横浜公園と横浜スタジアムは、大歓声に包まれていた。
対戦相手は、日本一の常連、福岡ソフトバンクホークスだ。
シリーズ開幕から2連敗、その後、まぁ……色々と騒がれることもあり(多くは語らない)、クライマックスシリーズからの勢いを取り戻したベイスターズ、押せ押せムードの中で、今シーズン途中からチームに復帰した筒香くんの先制ホームランから始まり、往年の「マシンガン打線」を髣髴とさせる、怒涛の攻撃と、先発、中継ぎ、リリーフと投手陣が踏ん張り、ホークス打線を抑え込む。
9回表、最後のバッターを打ち取った瞬間、ベンチの三浦監督は両腕を高々と挙げて、涙ぐんでいたのをテレビカメラはしっかり、撮っていた。
「ああ、ホントにスゲー……またやってくれたわ…長ったなぁ……」
テレビの画面を見ていた私、しみじみ……本当にしみじみと声に出していた。
三浦監督の胴上げを見ていたら、泣けてきた。
あの三浦くんが、監督として胴上げされてる。
この歓喜の輪の中に、1998年組もいる。そのことに、私は感動と感激と、26年という歳月の長さを感じることになった。

長かったねぇ……本当に長かったねぇ……
色々あった26年だったよねぇ……
強いチームになったよなぁ、本当に。

本当に、本当におめでとう。
横浜DeNAベイスターズ。
また、新しい歴史が刻まれたね。
1998年とともに、2024年の日本一も、語り継がれていくに違いない。

これからも、影ながら、応援していくよ。

そして、来年こそ……ハマスタへ一度は足を運ばなければ…っ!!