リハ病棟の1日
リハビリテーション病棟にもいろいろあって、それぞれの病院で違うと思うのだけど、n=1としてとらえていただければ幸いである。
出勤はそんなに早くない。医療現場に横行している「無料早出出勤」をしなくても仕事は回る。暇なのか?と言われるとやろうとすればいくらでも仕事はあるし、やろうとしなければそこまで求められることはない。
外来の日は外来をして、病棟で何事もなければ入退院の手続きをして、薬を出して回診で様子をうかがって終わりである。一口にいうとなんでもないが、受け持ち患者数による。25-30人くらいの受け持ちが多く、電子カルテだとカルテを開いてから閉じるまでに通信の問題もあるが1人当たり3-5分くらいはかかる。何もしなくてもチラ見するだけで75-150分かかるのだ。重い日だと180分以上のときもある。処方薬とかがあるとさらに2-3分かかる。さらに記事を記載するとどうなるのか?電子カルテを恐ろしさがここにある。下手するとカルテを書くだけで1日が終わってしまう。回診もまともに話をすると同じくらいの時間がかるし、リハビリ中は別のところにいるし、何回も訪室するとそれだけ時間がかかる。半日の4時間=240分が持ち時間だとするとスケジュールはかなりタイトである。まあ紙カルテだと読めないという問題が発生するが。。
そして毎日のように何件か面談がある。だいたい30-60分の間である。8時間=480分の時間の使い方は工夫が必要だ。多くの時間をカルテ起動の待ち時間と戦う毎日だったりする。待ち時間のない高性能の電子カルテとインフラがほしい。 もう慢性期だしやることなんてほぼ決まってるんだからipadで記載はフォームをクリックすればいいじゃん。そんなカルテに書く内容が多いような病棟でリハビリなんかできないでしょ。
往々にしてリハビリ中に何か病気が見つかることがある、というか多い。後医は名医というがその通りで、急性期に分からなくても時間が経つとわかることがある。まあそれ以外のこともたくさんあるけど。急性期は忙しいし。そして新しい病気の診察は普通に急性期の病棟よりも時間がかかる。ろくな検査もできす使えるリソースもない田舎の診療所か救急外来状態だからだ。しかも検査をすると赤字。頭ですべて解決するので気分はドクターGとなる。できればやめてもらいたい。
そう、お気づきだろうか。リハビリにかかわる時間があまりないことを。厚労省の分科会などでもまともなリハ医の仕事ができるのは受け持ち20人までと言われている。しかし真面目にそうすると人件費がかかるのだ。リハビリ療法士の給料も安く、待遇改善が望まれる。もっというと老人が多く、手間がかかるのに看護師もぜんぜん配置されていない。
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