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近そうに見えるルートが近道でないこともある──読んで良かった(2022年1月16日版)

最近読んで良かったものを徒然なるままに挙げてみます。どれも大変面白かったです。著作に関わられた皆さん、そして、これらの存在に気づかせてくれた皆さん、ありがとうございます!

■ tech

◎ NPM & left-pad: Have We Forgotten How To Program?

この記事は、2016年3月に書かれたものです(邦訳もあります「NPMとleft-pad : 私たちはプログラミングのやり方を忘れてしまったのか?」)。

There’s absolutely no guarantee that what someone else has written is correct, or even works well. Even if correct, is it the most optimal solution possible? At least when you write the code yourself, you can easily modify it to fix bugs and improve its efficiency.

(記事より)

「colors.js」に悪意あるコードが含まれた問題に直面したいま、改めて、上記記事が指摘することの重要性が際立ちます。あるいは、Linuxにおいて、ディストリビューションメーカーが果たしてきた役割の重要性も然り。

◎ ブロックチェーン:膨張する看板に偽りはないか - 誠実なプロセスの必要性 -

松尾先生による、ブロックチェーン関連の昨今の動きに対する大事な指摘。ロジカルで明解でサラッと読めてしまうけど内容はズッシリと重い、みたいな。

そもそも、Web3.0の人たちが語る、Web2.0の定義が、従来より使われているWeb2.0の定義(これも、ティム・オライリーが現象に対して後付けで名付た概念のようなものだ)とは異なるものに「改ざん」されており、自分達が売り込みたいWeb3.0の良さを際立たせるために作られているようにも見える。さらに、本当に使われるか不明なものに、3.0と名前付してしまうところにも誠実さを感じない。
(中略)
後付けで現象に名前をつけるのであればわかるが、先に名前をつけるのは、やはりマーケティングワードだと言われても仕方がない。

(記事より)

手厳しい。けど、「Web 3.0」を語る人にこそ読んでほしい。

■ Others

◎ 気仙沼の未来の羅針盤 「まるオフィス」

東京FMで2022年1月6日に放送された番組「Hand in Hand」の内容をテキスト化した記事。

今回お話を伺ったのは、中高生むけの教育プログラムを通じた町づくりに取り組む一般社団法人「まるオフィス」代表の加藤拓馬さん。兵庫県出身の加藤さんは、東日本大震災をきっかけにボランティアとして気仙沼に入り、そのまま移住しました。

(記事より)

最初に加藤さんがやったのが、「漁師の後継者がいない」ということで、地元の中高生に漁師体験を提供し、「将来『漁師になれよ、Uターンして帰ってこいよ』」と伝える活動でした。

しかし。

だんだん中学生・高校生の顔と名前が一致してくると、“この子たちにとっての本当の価値”って将来漁師になることだけではないと気づき始めるんですね。それはつまり僕の役割は漁師さんの後継者を作ることじゃなくて、もしかしたらこの子たちが将来何者にでもなれる力、選択肢を自分で広げる力をいま気仙沼で漁師さん達と一緒に育むことじゃないかと。

(記事より)

私がいまサイボウズでやっている「コネクト支援チーム」の活動も、これに通ずるものがあります。これに気づくことが本当に大事。

そして余談ですが、最近のラジオ番組は、放送後にインターネットで視聴できたり(radikoだったり、あるいはPodcastだったり)、この記事のようにテキスト化されたりして、後からの参照が大変やりやすくなりました。素晴らしい。ありがとうございます。


《Postscript》
コンテンツの黄金サイクル」が広がるといいな、の小さなステップとしてアウトプットを続けています。「読んで良かった、ありがとう」で取り上げた記事数が、すでに40件を超えました。塵も積もれば山となる。


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