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背後には別のストーリーが横たわっている──読んで良かった(2022年1月29日版)
最近読んで良かったものを徒然なるままに挙げてみます。どれも大変面白かったです。著作に関わられた皆さん、そして、これらの存在に気づかせてくれた皆さん、ありがとうございます!
■ tech
◎ 「この会社は詰んでます。潰れました」で気づいた“恥ずかしさ” DeNA南場智子氏がエンジニアから学んだこと
2021年12月に開催された「DeNA TechCon 2021 Winter」のOpening Keynoteで、DeNA創業者で現・代表取締役会長の南場さんが話したことを文字起こしした記事。
簡単に言うと、DeNAという会社の「DNA」がいかにして培われてきたか、というお話。エピソードも面白く、ロジカルにスッと入ってくるので、口述の長文なのがまったく気にならず一気に読んでしまいました。さすが。
バックグラウンドから、戦略や企画、戦略的提携、事業計画やマーケティングは得意だし、大事だと思っていたんですよね。でも、システムがわからなかった。システムは、まぁ企画がちゃんとしていれば、開発会社にお願いすればいいんじゃない? ぐらいに考えていて。それが私たちの恥の始まりというか。そういう状況でしたね。
それこそ情報技術の最先端を走っている、今のDeNAの姿からは想像できない始まり(笑)。今回はキーノートスピーチということで、それぞれのエピソードを完結な学びとして回収してるけど、もっとディテールを知りたくなります。
◎ Scratchで作るブロックは実際のコード(阿部先生のツイート)
よく聞く話ではあるのですが、Scratchで作るブロックは実際のコードなので、私はコードが書けない子を見たことがありません。もし、文字で書くプログラムのことだけをコードと呼んでいるのであれば、それはコードの解釈が間違っているのだと思います。 https://t.co/tTnmO6uOtc pic.twitter.com/zPnEWSJeNX
— アベ先生 (CV: 阿部和広) (@abee2) January 26, 2022
ビジュアルプログラミング環境「Scratch」について、よくある誤解に阿部先生が回答。この誤解、本当によく見かけます。
こういうのは「二重」に誤解してるような気がします。「Scratchはビジュアルプログラミング環境なので、コードをタイピングするプログラミング言語への移行に苦労する」という誤解と、「ビジュアルプログラミング環境は所詮おもちゃなので、本格的なプログラミングのための能力は身につかない」という誤解。
前者の誤解は、プログラミングにおいては「タイピング」(文字入力)が重要な能力であると言ってるのと同じ。ニュースのイメージ映像やドラマの演出などで、プログラミングのシーンが「高速にタイプする」ことで表現されることがありますが、実際の開発現場では、そんなことはないですよね。プログラマが高速にタイプしているとしたら、それはドキュメントを書いてるときかTwitterに投稿しているときでは?(笑) プログラマとして名前が知られていても、タイピングがそれほど速くない人は普通にいます。今どきはIDEにキーワード補完機能があるので、プログラミングにおけるタイピングスキルの必要性は、ますます小さくなっていますし。
後者の誤解は、Scratchを使い込んだことがない人が抱きがちですね。Scratchのコンセプトは「低い床、広い壁、高い天井」。すなわち、使い始めるハードルをできるだけ低くしつつも、Scratchでやれることの制限はできるだけなくそう、という明確な意図のもとに注意深く設計されたプログラミング言語なのです。実際にやってみると、メッセージパッシングによるマルチスレッドなプログラミングも可能だったりして、本当に奥が深く面白いです。
逆に、プロのプログラマーがScratchでプログラムを書けない場面は見たことがあります。「子供用のおもちゃだから」と言うのですが、プログラミング言語である以上、文法やパラダイム、ライブラリ、ツールの使い方などを理解しなければ使えないのは当然のことで、それを怠ってよいわけではありません。
— アベ先生 (CV: 阿部和広) (@abee2) January 26, 2022
まさに。
◎ Twitterでのニュースレターの購読
Twitterを見ていたらプロフィールの下に「ニュースレター」を表示している人がいたので、調べてみてたら、公式の説明にどり着きました。「ニュースレター」というから何かと思ったら、Twitterが買収した「Revue」という会社のサービスを統合したものでした。
■ Others
◎ 度重なる大災害、なぜ社会は学ばない? 「日本沈没」に描いた違和感
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漫画版「日本沈没」を描いた、一色登希彦さんにインタビューした記事。
1973年の小説「日本沈没」の漫画版を手がけました。日本が大災害に相次いで襲われ、最終的に沈没する――。物語の骨格は原作と同じですが、漫画で強く意識したのは95年の阪神大震災でした。
この漫画は、「日本沈没」の映画化に合わせて制作されることになったそうで、普通なら映画の宣伝用という位置づけ。それを一色さんは、映画が終わったあとも「自分なりの日本沈没を描ききらせてほしい」とお願いし、原作者(小松左京)からも了承を得て、漫画制作をスタートしたとのこと。
こういう、制作の背景を知ると読んでみたくなりますね。
《Postscript》
「コンテンツの黄金サイクル」が広がるといいな、の小さなステップとしてアウトプットを続けています。綱渡りで連続投稿を継続中。