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for the rest of us──読んで良かった(2022年1月23日版)

最近読んで良かったものを徒然なるままに挙げてみます。どれも大変面白かったです。著作に関わられた皆さん、そして、これらの存在に気づかせてくれた皆さん、ありがとうございます!

※記事の掲載順に意味はありません。

■ tech

◎ 来訪者向けoViceマニュアル(テンプレート)

若林さん(@kwaka1208)が作成、公開してくれた、オンラインイベントプラットフォーム「oVice」の来訪者向け操作マニュアルの「テンプレート」。

oViceでスペースを運用する際、参加者向けに「使い方の説明」をすることになります。そのとき、スペースの運用ポリシーによって参加者に許可することが異なるので、これまでは、実際のスペース運用者が個別に「使い方の説明」をする必要がありました。

そこで、この「来訪者向けoViceマニュアル(テンプレート)」の出番。「CC BY-SA」で公開されているので、スペース運用者は、これをコピーした上で、設定に応じて改変し、「参加者用マニュアル」として利用することができます。これは本当にありがたい。素晴らしい!!


◎ シェル・ワンライナー160本ノックのあとがきの代わり1: プログラミングを日常のものにという願い

「1日1問、半年以内に習得 シェル・ワンライナー160本ノック」(技術評論社)という書籍の著者の一人が書いた「あとがき」。

思い入れの強いこの本について、 あとがきの代わりにちょっとずつ何か書いていこうと思います。 たぶん、書籍を手に取る人向けというより、 経験者から見て、この本をどう勧めるべきなのかという内容になると思います。

(記事より)

書籍にはページ数の都合により「あとがき」が掲載されなかったので、代わりにブログに記すことにしたのだとか。面白い。私も、この書籍は買ったので、興味深く読みました。

著者の上田さんは、「この本には、プログラミングの自然な入り口になってほしいという願い」を込めたそう。

でもたぶん、プログラミングって、 料理するときにふらっと台所に立つのと同じ感覚でやるもので、 そんなに大袈裟なものではないはずです。 作るものだって、 重複するファイルを消したり移動したりというちょっとしたものでいいはずです。

(記事より)

Programming for the rest of us──読みながら、そんなフレーズを思い浮かべました。


◎ アバター作成システム「Ready Player Me」が他のVRアプリでも使用可能に

「Ready Player Me」という、写真からアバターを生成するサービスのニュース記事。これまでは、VRサービスごとにアバターを作成する必要があったが、今回の機能追加で、一度アバターを作成すれば、複数のVRサービスで利用できるとのこと。「メタバース」はホットですね。面白いことになりそう。

■ Others

◎ コインハイブ事件における弁護活動

2022年1月20日に最高裁で無罪判決が出た「コインハイブ事件」の弁護活動を行われた平野敬弁護士が書き記された文書。

書籍「Wizard Bible事件から考えるサイバーセキュリティ」(PEAKS)のために執筆されたものだそうで、同書籍に掲載されてるものが「正式版」とのこと。そちらの書籍もさっそく購入しました。

この文書の想定読者は、法律実務家とITエンジニア。

ITエンジニアに向けて
第2に、IT関係の刑事事件について被疑者・被告人となった者、あるいは将来的にその可能性がある者に対し、未知の世界であろう刑事手続の知識を提供することにある。

(文書より)

これ、すごく大事。

大声で威圧されること、狭い留置場や取調室に長時間閉じ込められること、敵対的な尋問を受けること。彼ら彼女らにはこうした局面への耐性がほとんどない。エンジニアとしての良心が枷になることもある。

(文書より)

そうそう。昔々、とある刑事事件(ITには関係ない)を取材したことがあるのですが、プロ(警察、検事)の高等なテクニックの前に、一般人がいかに無力かを思い知らされました。

たとえば、「ブラジルの蝶の羽ばたきがテキサスで竜巻を起こす可能性が絶対にないと言えるか」と質問された場合、エンジニアとして誠実な応答は「絶対にないとは言えない」だろう。理論的にはそれで良い。しかし取調べでこう答えた場合、あなたの調書にはこう書かれることになる。「私は、この羽ばたきが竜巻を引き起こす危険なものかもしれないとあらかじめ認識していました」。誠実な議論に慣れているがゆえの陥穽である。

(文書より)

まさにこれ。本当にそうなんです。メディアが警察発表を報じるとき、よく被疑者の言葉がカギ括弧付きで紹介されることがありますが、あれもこの話と同じで、本人が語った言葉通りではなく、それを取調官が書き留めたものです。つまり、本人の意図とは大きな乖離がある形で切り出されたものかもしれないのです(というか、普通に行われてるので、ほとんどがそう)。

ということで、これは多くの人が読むといいよ(できれば書籍も)。


《Postscript》
コンテンツの黄金サイクル」が広がるといいな、の小さなステップとしてアウトプットを続けています。どうにか、こうにか。


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