「露結ぶ」
方丈の庭に露干ぬ露結ぶ
（ほうじょうの｜にわにつゆひぬ｜つゆむすぶ）
隣家の夫人が亡くなられた。
仕事から帰宅して急に体調不良になりその夜のうちに亡くなられたと…。
高齢の私をいつも気遣ってくださっていた人。
垣根越しの庭に、今春新しく植えた花鉢や愛犬のおもちゃのボールが露を帯びている。
記憶の中にはありありと生きているのにもう会うことが出来ない現実は、受け入れることが難しい。
打ちのめされているような感覚に、自分ながら驚く。
小さな庭に雉がきてセキレイがきて、時にはキタキツネが通り過ぎる。
誰も訪れない日も草の葉に露は結びそして乾く。
一瞬もとどまることのない時の流れを感じながら、それでもあとすこし何をなすべきか、何ができるのかを考えている。
よさこいソーランの踊り手だった貴女にブーゲンビリアを
2024・5・29