【論文メモ】 FCバルセロナのデータ分析研究者の共著論文の内容まとめ
はじめに
細かい部分までは読むつもりではないけど,さらっとでも気になる人がいるかもしれないので,noteに書きました.
読んだ論文のタイトルは
・Always Look on the Bright Side of the Field: Merging Pose and Contextual Data to Estimate Orientation of Soccer Players
・Using Player's Body-Orientation to Model Pass Feasibility in Soccer
です.
論文について
バルセロナの関係者が共著に入ってると最近(一部で)有名になった論文.
Computer Vision and Pattern Recognition (CVPR) 2020のworkshopに採択されたそうです.
バルセロナのデータサイエンティストさんはこちら.共著(3rd author)に入っています.
提出されたCVPRは画像認識系の国際学会の中では最も権威のある学会の一つです.
採択されること自体がかなりすごい(今回採択されたのはworkshopだけど)
論文
・ Always Look on the Bright Side of the Field: Merging Pose and Contextual Data to Estimate Orientation of Soccer Players
たぶんCVPRに投稿して査読中だと思う.そのうち続報が出たら追記します.
・ Using Player's Body-Orientation to Model Pass Feasibility in Soccer
CVPRはopen accessになったと思うけど,workshopもだっけ?
とりあえず両方ともリンクはarxiv版です.
【要約】 Always Look on the Bright Side of the Field: Merging Pose and Contextual Data to Estimate Orientation of Soccer Players
この論文ではサッカーの試合のビデオから選手の体の向きを計算する手法が提案されている.ここではプレイヤーの体の向きは胴体上部の法線ベクトルとして定義.
流れとしては,
・OpenPose(人間の関節を検出する手法)と超解像のネットワークを組み合わせて肩と腰を2D空間上に配置.
・ボールの位置推定も行い,推定されたボールの位置をコンテキスト情報とする.
→求めたプレイヤーの関節の情報と推定されたボールの位置を統合することでプレイヤーの姿勢を推定する.
OpenPoseで基本的にやってるけど,ボールを持ってる選手や近くにいる選手はボールに向いていることが多いので,コンテキスト情報で補正してあげようというアイディアかな.
【要約】 Using Player's Body-Orientation to Model Pass Feasibility in Soccer
この論文ではサッカーの試合におけるパスの成功率を推定する計算モデルが提案されている.
新規性は,ビデオから直接推定した選手の体の向き(上記の手法で求める)のデータを用いたこと.
提案したモデルは,オフェンス側の体の向きとディフェンス側のプレーヤーの位置を用いて,パスが成功する確率を推定する.
選手の体の向きのデータは選手の意思決定プロセスにおいて重要な要素であり,プレーの結果に大きく関係していることがわかる.
体の向きのデータを用いることで,既存手法の精度向上も見込める.
この研究はコーチや分析スタッフが試合をより良く理解し,選手の意思決定プロセスの改善に役立つ.
まとめ
1本目はデータ分析のための研究,2本目はその手法を用いて実際に有用なモデルの提案という感じ.
パスの成功率がある程度測ることができれば,味方からパスをもらうための動きや相手のパスを止めるための動きなどの改善に役立ちそうですね.
気になった人は論文を読んでみてください.
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