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Re:2020年から始める学生生活

今年から、大学院に進学して勉強しています。

社会人生活5年を経て、久しぶりの学生気分を感じられるかと楽しみにしていたのですが、早々に、新型コロナウイルスの影響を受け、4月の入学式は中止に。授業の開始も1か月ほど延期になりました。私の学部時代の大学入学は2011年だったので、この状況には覚えがあります。東日本大震災の影響で入学式が中止になり、授業開始が同じく1か月延期になったからです。新生活を送るために札幌から引っ越してきたものの、することがなくだらだらとYoutubeを見ていた空白の1か月の記憶が久しぶりに蘇りました。

当時と今で諸々の問題が大学の活動に与える影響は、今のほうがずっと深刻です。福島で起きた事故の影響は、東京では最初の計画停電や、交通網の麻痺くらいしかなく、2011年5月には、例年通りの授業風景がありました。当時も今も、なにか目に見えないものの脅威にしばらく怯えていた気がしますが……。まあ、具体的に明確な健康被害が出ているのかという違いが大きかったのでしょう。

さて、コロナが猛威を振るい、仕事の大部分はテレワークに依ることを余儀なくされたわけですが、この状況は、4月から大学院で学び始めた、いわゆる「社会人学生」という身分の自分には、実は、この上なく好都合な変化でした。理由は、通学時間がゼロになったことに尽きます。入学が決まった当初、平日夜間の6限講義に出席するには、仕事を定時そこそこで切り上げ、最短ルートを急ぎ足で移動しなければ間に合わないと計算していました。授業料のわりに、十分な成果は得られないかもと、半ば諦めていました。

では、「そもそもなんで大学院なんか受けたんだよ」という話になりますが、いわゆる「記念受験」のつもりで受けていたというのがあります。大学院で明確に研究したい内容が固まっていたわけではなく、たまたま母校から送られてきた卒業生向けのメールで、かねてから興味を持っていた分野の研究科が新たに設置されると知り、さらに名前を知っていた先生が2人もいるとわかったので、これは応募しない手はないぞ、と思い立ったのです。

他方で、私は試験になかなか合格しないことを自覚していました。高校受験も大学受験も第一志望は不合格。大学入試は一浪しても失敗。最近は資格試験をたくさん受けていますが、情報処理やデータベースなど、仕事で扱っている範囲はいい成績でも、それ以外の試験は落としてばかりです。お金の計算が苦手なので、簿記2級に至っては、執筆時点で8回受験して全戦全敗のありさまです。実は今回の大学院入試も全く手応えを感じられず、筆記はともかく、面接の試験は新卒就活時代の50社は受けた採用面接ばりのたどたどしい話し方になってしまいました。それでも、何が功を奏したのか、合格することができました。

「大学院に行きたい」と言うと、職場の理解は得られないかもと思っていましたが、仕事との関係がなくはない分野だったので、意外にも応援してもらえたのはありがたかったです。ぼくの職業はシステムエンジニア(SE)で、大学院では人工知能(AI)を学びます。SEとAIは、一般の人は同じIT系だと考えるでしょうが、この業種は会社、事業部によってさまざまなので、両者はあまり結びつかないこともあります。現在の仕事内容もAIと直結するものではなかったので、上司からのGOサインは、正直、意外だと思っていました。

話は戻りますが、コロナで諸々の活動が制限されることになったので、仕事の大半はテレワークに、大学院での講義は「全て」オンライン講義になりました。この変化のおかげで、昼は仕事をする一方、夜は大学の講義を受けるスタイルの切り替えが容易になりました。つまり、「職場から自宅」「大学から自宅」という移動の負担がかからない、「全て自宅」のライフスタイルを実践できるようになったのです。講義も平日4コマ取ることができるようになりました。

通勤時間がなくなると、これまで「スキマ時間」と呼んでいた、小さな空き時間もなくなりましたが、代わりに、まとまった大きな時間が確保できています。この時間を大学院の勉強に充てるのですが、なにか大きな勉強をするには、まとまった授業時間を確保するのが効率的だと感じました。去年までは、資格試験の勉強は通勤時間にアプリを使用したり、業務後にカフェを利用したりするなど、「スキマ時間」を活用していたわけですが、これでは体系的に理解するのが困難でした。このコロナ禍で確保した時間は、分量の多い、体系的な理解が必要な勉強に向いていると思います。取ってつけたような結論になりますが、みなさんも、テレワーク後の時間を使って、何か大きな勉強を始めてみてはいかがでしょうか。


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