ここまで生きてきたから出来る会話「おー久ぶり、元気だった?」
最近、何年かぶり、お久しぶりに会う人が多い。おー久しぶり、元気だった? から始める会話がこそばゆい。もれなくみんな立ち居振る舞いもそれとなく垢ぬけている。大人、に向けた階段を上っているなと思う。
久しぶりに会う人が多いのは、私が東京に来たからだ。正確には、東京に戻ってきたからだ。
大学進学を機に東京で一人暮らしを始めて、サークル、バイト、いろんなコミュニティができた。たくさんの友達もできた。これからも会いたいと思える人とも、東京で出会えた。
でも、新卒1年目だった一昨年から去年にかけて、愛知県に配属されて、名古屋にいた。友達はおろか、同期の人数も少なくて、ちょっとずつ東京との繋がりが薄れていった。
去年、会社を辞めてから山梨県の実家に戻って、転職活動があるときだけ東京に来ていた。このころからだんだんと、会う友達は、「会いたい」と私の心が10センチ動く人だけになっていた。大学生の頃とは違って有限な休みの日。なかなか「お久しぶり」の人に使えなかった。会う人は大抵いつも同じ。ふらふら悩んで、ぼろぼろ泣きそうになっている私を見せてもいい、と思える人ばかりと会っていた。
だけど、これからの道が決まって、東京に引っ越してきて、「会おうよ!」と連絡がよく来るようになった。だから、おー久しぶり、元気だった? から始まる会話をする人と会うようになったのだ。私側にも余裕ができて、あー会ってもいいかな、と思えるようになったから。
そういう人と会うと、やっぱり私と同じだけの月日が流れていたんだなあ、と思う。私がふらふらしてる半年間、は、みんなにもちゃんと流れていた。朝起きて、働いて、休んで、遊んで、旅行して、また働く。みんなに流れていた半年の重さを感じる。
私が「もう、やめたい」と、何をやめるかもわからないけど、何かに対してそう思っていたとき、みんなももしかしたらそう思っていたのかもしれない。
仕事を「もう、やめたい」。この恋を「もう、やめたい」。お酒飲むの「もう、やめたい」。お金使っちゃうの「もう、やめたい」。なんかわかんないけど「もう、やめたい」。
それでも、みんな半年間、なんとかやめずにいたから、こうして私はこの人たちと会えているのかもしれないな、と思う。
えらい。ほんとにえらいなあ。みんなも私も、ほんとによく頑張ってるよ。
”終わりよければすべてよし” になれましたか?もし、そうだったら嬉しいなあ。あなたの1日を彩れたサポートは、私の1日を鮮やかにできるよう、大好きな本に使わせていただければと思います。