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無花果の美味しさがわからない
私にはまだ理解できていない大人の味の代表格が、無花果だ。
無花果と書いて、いちじくと読む。秋に向けてだんだんといろんなところで見かけるのが多くなる無花果。
たけど私は、未だに無花果の美味しさを理解できていない。美味しさ、というかそもそも「無花果、おいっしい〜!」と思ったことがない。
甘味は少ないし、ものにはよっては酸っぱいし、見た目がなんだかグロテスク……理科の教科書、人体系のところに載っていてもおかしくないのではないかと思わせる見た目。小さなつぶつぶがたくさんついた無花果。
もちろん食べたことはあるけど、「みんなが言うほど美味しいのか……?」となってしまう。
先日、友達とパフェがメインのカフェに行ったとき、マンゴーやバナナ、パフェ王道のいちごがある中、友達がそれらを差し置いて「無花果パフェで!」と注文していた。
隣にいた私は、彼女の顔を見た。
え……無花果以外にこんなに見目麗しい&どう見ても甘くて美味しいフルーツパフェがある中で無花果……?
私は絶句していた。
それはちょっと言い過ぎたかもしれないけど、まじ……? と思っていた。
結局私が注文したのは白桃パフェだった。途中、友達が「シェアハピしよ〜」と言ってくれたので、無花果パフェをひとスプーンもらったけれど、私にはその美味しさがわからなかった。「ん〜! 美味しい〜秋の味〜」とはならなかった。
もしかして、まだ私が気づいていない無花果の魅力があるのか? それか単純にまだまだ無花果は私には早い、ということなのだろうか。
驚いたことに、パフェを食べた数日後にも別の友達から「買いすぎちゃったから」という理由で無花果ジャムのクリームパンをもらった。
また、無花果!
チョココロネやメロンパン、クロワッサンなど数々の名品パンを差し押さえて無花果のクリームパンを選んだ彼女にも私は呆然とした。
どうしてみんな無花果をチョイスするのだろうか?
私も、無花果は不味いとは思わない。ただ、美味しいとは思えないのだ。それに、他にも美味しいフルーツやパンがあるのにその中で無花果を選ぶ味覚が、私にはまだ理解できていない。
今日からの三連休、私はおばあちゃんちに来ている。おばあちゃんちに行くときは決まって、大好物のフルーツサンドを持っていくようにしている。
今日のお土産フルーツサンドのラインナップはいちご、マンゴー、白桃だった。それを見たおばあちゃんが一言。
「季節だから無花果のフルーツサンドも食べたかったわあ」
また、無花果!!
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