見出し画像

夏の怪談師、冬の間なにしてる?

8月13日は怪談の日らしい。夏を感じさせるなんともいい記念日だ。

なぜ8月13日が怪談の日かというと、「怖いな~怖いな~」の怪談師としてめちゃめちゃ有名なあの稲川淳二さんが「MYSTERY NIGHT TOUR 稲川淳二の怪談ナイト」20周年連続公演を記念して制定したらしい。

それが記念日になるなんてすごいなあと思う。そして、怪談の日と聞いて思い出した話がひとつある。


テレビ朝日系で放送していた爆笑問題さんと霜降り明星さんの「シンパイ賞!!」という番組でのこと。

この番組は2組が「心配だ!」と思っていることを順番にあげ、その心配事をリサーチして実際はどうなのかを解明していく内容になっている。

いつの放送だか忘れてしまったけれど、霜降り明星さんが心配していることとしてあげたのが「夏の怪談師の、冬の間が心配」だった。

これには、テレにを見ていた私も確かに心配だと思った。


季節に関係する職業は、この世にたくさんあるけれど、それらの職業の人たちが季節外で何をしているかを私はよく知らない。

例えば、夏のスケート選手、スノーボード選手、スキー選手。冬のビーチバレー選手、サーフィン選手。とはいえスポーツ選手は、室内で装置を使った練習や体力づくりができるし、もはや担当季節中の海外に行ってしまう手だってある。

だけど、一般の人たちはどうだろう。冬のライフセーバーや、夏のスキー場運営者。恐らく違う仕事をしているとは思っているけど実際は何をしているんだろうか。気になる。心配にもなる。


結論からいうと怪談師は冬の間、アルバイトする人もいれば、ホラー話についてのWEB記事を書いたりして生活費を稼いでいるという。ああ、やっぱり夏にしか活躍できないのかと思ったら、登場した怪談師の人たちはみな、冬の間にあることをしていた。

それは、「夏に披露するネタの仕込み」だ。

アルバイトしながら周りの人に「最近なんか怖いめにあった人いない?」とリサーチしたり、WEB記事で書いた場所へ実際に行ってみたり、夏に向けての準備を行うという。


スポーツ選手と一緒だ、と私は思った。自分が活躍できる季節は短いからこそ、その短い時間の中で濃ゆい結果を残さなければならない。だからそれ以外の季節は積み重ねの時期。

次の夏に新作を発表できるよう、体験者に取材をする。自分の体験談として話せたほうが生生しさが出るから、実際にその場所に行ってみる。話だけで人を誘う怪談師は、話し声のトーンやスピード、話し方が大切になるから冬の間、ボイストレーナーに習いに行っている、という人もいた。

怪談師にとっての冬は、暇でピンチな時期なんかじゃない。冬の間、地面の下で養分を蓄えるフキノトウのように、越冬が彼らを成長させるんだと私は初めて知った。

今まさに怪談師たちの季節。冬の間に蓄えた養分が芽吹いている瞬間なんだろうな。

”終わりよければすべてよし” になれましたか?もし、そうだったら嬉しいなあ。あなたの1日を彩れたサポートは、私の1日を鮮やかにできるよう、大好きな本に使わせていただければと思います。