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morimisato
頭の中で勝手に再生される「声」
文章や漫画を読んでいると「自分の中の声」で再生されていく。
言い方、イントネーション、抑揚が、自分の頭の中で勝手に構築されて、「その人」の声になっていく。
よく漫画が実写化すると「あ〜……なるほどね」と思ってしまうことがあるけれど、それは自分の中で想像した声とのギャップに打ちのめされるからだと思う。ちなみに私は、アニメ化したときでも同じような気持ちになる。私の頭の中ではこういう声じゃなかったなあ、と思ってしまう。
その点noteは、アニメ化することもなければ、実写化することもない。
アイコンを見て、自分が作り上げた「その人」の声で文章を読む。そのうちだんだん、見ず知らずのはずなのに、「その人」らしい声ができあがっていく。
と思ったら、オンラインイベントや、何かの拍子で直接会えると、もう「その人」自身の声で文章が再生される。ああ、あの人ならこう言いそうだな、がわかると文章はもっと面白くなる。
文章自体は変わらないのに、文章がまとう空気が、自分が知っている「その人っぽい空気」に勝手に変わっていく。
こういう瞬間ってないだろうか? 私はよくあるのだけれど。
その点、やっぱり小説家はすごい。現実にはいない架空の人のまま、音程も声質もわからないまま、ずーっと読み進めていける。だから声の描写があると、「へえ! こういうふうに描写するのか!」とびっくりする。自分の声や、誰かの声を、描写されるような言葉で考えたことがないからだ。
ちょっと今、あんまり本を読める時間がないけれど、やっぱり本をもっと定期的にちゃんと読みたい。自分の描写力のためにも、見ず知らずの人の声を聞くためにも。
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