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#141 社外取締役(監査等委員)の仕事

社外監査役のお仕事の一部を紹介します。

こんなことも行います。

上場会社の社外取締役(監査等委員)としての役割は、会計監査に加えて業務監査も含まれます。

今回、本社の監査室や経理部長と共に、監査法人の子会社と工場の監査に立ち会いました。今回の訪問は私にとって就任以来、6年ぶりでした。多品種少量生産でTier1の日本メーカーからのリクエストに応える電子部品メーカーです。


第2工場外観

現在、AI化や新製品開発はどの会社にも課せられている課題ですが、Tier1の各メーカーからの細かな受注に応えられる日本の職人技の素晴らしさや、日本の製造業の力、ものづくりを支える真面目な県民性を再認識しました。ある意味、個別カスタマイズを主力にしている場合には自動化できる部分が限られます。


電子部品、製品のひとつ(社長の許可をいただき掲載しています)

現場を直接見ることの大切さも再確認しました。外資系会計事務所時代、製造業のクライアントを多く担当していました。地方の製造業が海外に買収されたり、事業譲渡するケースにも携わりました。その際に会計事務所をBig4に変更するため、買収後の統合課程でも関与させていただきました。地方にも日帰りで四半期ごとに往査したりサポートも行ってきました。今回の福島訪問でも、かつて日本のメーカーだった企業がアメリカの半導体企業に変わっていたり、工業団地の企業が変化していますね。

私の約30年の実務は、経理からはじまり、税務申告・税務調査対応、監査法人対応まで、下流工程から上流工程まで経験することで、上流工程の視点で下流工程で留意すべき点、効率化できる点がわかって楽しいものです。

自分の会社では経済産業省のスキルマップを活用し、経理を業務フローから学ぶシステム「経理シャイン」なる学習支援ソフトを開発しました。
日本初!経理専門職能カルテ経理・財務スキル診断「経理シャイン」4月28日より提供開始! | 株式会社ウィル・シャインのプレスリリース (prtimes.jp)

ITも業務も業務フローをわかっていないとお仕事はわからないし、どのようにシステムを活用すべきか、権限を付与すべきか、統制すべきかわからないと思います。

スタッフは早く下流工程から離れたいと思うものですが、視点を変えたり、自分の経験値でできる仕事は限りなくあります。
また、税理士や会計士の視点は質問の意図がわかるので、監査法人から何を求められているか、税務調査では何を対応すべきかどこまで伝えればよいかの最適解がわかります。

そんな経験から、

税理士で上場企業の社外取締役の掛け合わせのお仕事をしている人はなかなかいないかと思いますが、社外監査等委員(財務担当)としてのお仕事は、大変ですが、自分にとって約30年のキャリアを生かせるお仕事の一つだと思っています。

起業後はファンドが買収したいわきの案件にかかわっていました。福島県人も浜通りと会津はまったく違うとおっしゃっています。私は会津には祖母の教えもあり、足を運ぶことはなかなか勇気がいったのですが(明治維新の記憶から昔の人はこのようにいうのかなと思っていますが、一応気にしていました。)会社を想う心で行くことを決めました。人柄もよく美味しいものが多くとても楽しい訪問でした。

また、久しぶりに監査法人の会計士の方々と仕事をし、知的な楽しさを再び感じました。もちろん、同業者間でも「あれ?」と思うことや、気が進まないチームもありますが、Big4出身者とは、相手の専門性を尊重する共通の会話や上品さが楽しめる瞬間が多くあります。

起き上がり小法師
をお土産にいただきました。


人生も七転び八起でいきましょう!

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