#99 みんな人生の経営者
「みんな人生の経営者」という言葉は、『人生は経営でできている』(講談社現代新書)の帯に書かれています。
まさにその通りだと思いませんか?
この本のタイトルと帯を見たとき、私はいくつかの論点が思い浮かびました。今日は「シニアのキャリア」に焦点を当て、人生を経営する観点から「お金の使い方」と「キャリア」について考えを述べてみたいと思います。
私は祖父が起業した地方の中小企業の3代目として生まれました。末っ子として家業を引き継ぐことを意識することもなく、勉強を強制されることもなく、野山を駆け回りとても自由に育ちました。しかし、高校2年生のときあるきっかけから独立心をもって生きるようになりました。
そして母からの「起業が一番」という教えの影響もあり、33歳で起業しました。
税理士として多くの起業にも関わってきました。
そして最近では、団塊世代や団塊ジュニア世代の市場で活躍する様子は目をみはるものがあります。
日本の転職市場で第二、第三の人生を歩みだされています。
多くの経験豊かな人々が、顧問や社外取締役、社外監査役として再び活躍の場を見つけています。特に顧問や社員としての採用は増えており、これにより若手スタッフもOJTで得られなかったノウハウを学ぶチャンスが増えています。
一方でこのような動きが給与や権限と連動し、世代間での競争が激しくなっています。
『人生は経営でできている』にも書かれているように、「思いやりと居場所は限りあるもので、誰かから奪うしかない場合、自分が奪われる側になることもあり得ます。しかし、実際には新たにそれらを創造することも可能です。たとえば、人に思いやりを示すことで、相手からも思いやりを得られる可能性があります。そうしてお互いに配慮し合うことで居心地の良い場を作り出すことができるのです。人生を経営していく視点を持つことこそ、老後を幸せに過ごすための必須条件なのである。」
私もそう思います。
思いやりと居場所を創造する方法は無限にあります。
利益優先な資本主義の構造が奪い合うシステムになっている問題は、
企業だけでなく、社会全体に広がっています。なぜ人は競争的な視点からしか物事を見られないのでしょうか?日々の意識が積み重なって、それが「日本」という国のマインドセットを形成し、経済に影響を与えているのです。
他人から奪うのではなく、自分で新たな価値を創造したいですね。
シニア層は『マイ・インターン』のロバート・デ・ニーロのように、与えることに喜びを見出す人生を送ってほしいと思います。なぜなら、日本の高度経済成長期を経験しよい時代も享受してきた世代だから。
人生を経営する観点から、お金の使い方や起業についての考察は貴重です。しかし、競争社会であるからこそ、思いやりや協力の大切さを再確認することも重要です。私たちは争い合うことでなく、共に成長し、共に幸せを築くことができます。新たな時代に向けて、私たちのマインドセットを変え、共存共栄の社会を築くために努力しましょう。