ウィロー

僕は僕でしかいられない

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そら、そして

出逢ったのは、たわいもないオンライン講座。 薫は、ただただ愛想のよさそうな子でしかなかった。 僕が、薫のことを好きになるまでは。。。。 朝、海風と漁師の船の音が目覚めを誘い出す。 隣には、愛猫の猫たちがまだ丸まって寝ている。 ねこのひげをなでると、ちょっと嫌そうに、顔を自分で撫でなおしていた。 遮光カーテンの先から船のエンジン音が遠くで聞こえる。 反対を向けば、パートナーの信が寝ている。 僕と信は付き合って約10年にもなるが、紆余曲折で、 真反対の性格同士。 それでも一緒

    • 作用反作用の法則

      朝の目覚めは最悪だった。 無理矢理、起床したが頭が真っ白で、鈍痛がひどく治らない。 隣には、君が寝ていた。 会社に行こう迷いながら、シャワーを浴びることにした。浴室に行き、シャワーのレバーを引いて、お湯が出る間に服を脱いだ。温水になったのを確認し、シャワーを浴びる。 程よい暑さに打たれ、僕の意識は曖昧さを少しずつ脱ぎ捨て、今の体のだるさを感じながら、昨夜の事を回想して行った。 水が肩から身体全体に滴りおちる音が、もやのかかった心をさらにざわつかせていった。 そう、昨

      • さぁ、終わりにしよう。

        コトバを終わりにしよう。 この伝えきれない想いを眠らせてしまおう。。。。 どうせ叶わないのであるなら。 終わりにしてしまおう。 でも、君と過ごした月日はあまりにも幸せで、あまりにも暖かくて がんじがらめになっていた僕に、君はこの世の自由を見せてくれた。 凍り付いていた僕の心は、君のやさしさに溶かされていく。 いくつもの仮面をつけて、生きて、ボロボロになった僕が、 君によって、修復されていく。 君の曇りない笑顔 君が家事をしている後ろ姿 君が作るごはん

        • 家に何も無くなった日

          引っ越しをさっさと済ませて、寝袋生活。 あるのは、 着替え 歯ブラシ 水筒 筆記用具 本 ぐらいだ。 照明もないから、暗くなったら自動的に活動範囲が狭くなる。 この生活感がない状態が新鮮で、 最初は興味深々だったし、楽しく思えていた。 気がついたといえば、 カーテンがなくても、苦じゃないこと。 ガス電気水道さえ有れば申し分ない。 でもあったかいもの飲みたいよ。 ポットがないぜ。。苦笑 しかし寝袋には苦戦した。 睡眠の大事さを思い知らされる。 一日目、敷物が薄すぎて体

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        • 短編小説
          1本
        • ポエム
          1本
        • ふつふつ日記
          3本

        記事

          アルカリイオン水のラベルに【ヒトの体の半分以上は水出来てるんだって。とうめいじゃないのにね。】が書いてあった。 体内も地球とおなじ構造要素割合なんだなー。とふと思う。 自分を大事にすることは、地球を癒していくことに通ずるのだ。 ネイティブアメリカンの教えが今わかる気がした。

          アルカリイオン水のラベルに【ヒトの体の半分以上は水出来てるんだって。とうめいじゃないのにね。】が書いてあった。 体内も地球とおなじ構造要素割合なんだなー。とふと思う。 自分を大事にすることは、地球を癒していくことに通ずるのだ。 ネイティブアメリカンの教えが今わかる気がした。

          むしゃくしゃ

          憂鬱が晴れないまま、自分の中で何かかが沈んで沈んで腐っていくのを感じた。それでも自分は捨てたやつじゃないと色んな事に挑戦して、 挑戦しては疲弊を繰り返す日々でどうにか自分のアイデンティティを保とうとしている。 そういえば、病院に通い始めのころ、お世話になっていた知人に暑中見舞いを送ったことを思い出した。 脳が麻痺していて、文字もろくに認識できないくらいになっていたころ、宅配伝票を5人分書くのに、1時間以上かかったことがあった。 住所が間違わないように、一文字一文字を手

          むしゃくしゃ

          夜が来る。街が死んでいく。 明日が来るかもわからないのに、街は静かに消えていく。 明日の足音なんってのは、今日は分からないものだ。 でも街も自分も世界ですら、この大きなエネルギーには逆らえなくて どんなに足掻こうが容赦のない闇や光も突き刺さってくる。 逃げても道はなく、進んでも虚無。 じゃあ自分の存在とは何なのか。 望んで生まれたわけではない。 産み落とされた命の意味とは何なのか。 外に出れば、広告はポジティブ洗脳された情報ばかりで、 大儀は金によって簡単に

          巻かれたい

          大みそか、バディの実家からおせちが届く。開けてみるともう宝の山。今年は実家で過ごすはずではあったけど、やはり念のためとなって最後は、行かない決断をした。 だが、嬉しいことにおせちは届くのであった。お節という字がある通り節目の時に食すものだが、伊達巻が、あの伊達巻ちゃんがどうしても私を引き寄せてしまうので、食べることにした。 ごめんなさい神様。 袋を開けると、形状を保つために巻かれていたマキマキ君を発見。 そして、私の視野の先にグーグー寝ているやつに焦点が照準されたのだ

          巻かれたい

          時間

          時間 それはなんというあいまいな生き物なのだろう。 掴みどころがなく、楽しければすぐに過ぎ、苦しければ、いつまでも時間は経たない。 働いていたときは、タスクこなしマシーンのように時間を区切っては、プロジェクトを早く進めようと時間とじりじり格闘していたのに。。。 あー。 めっちゃ時間がある。 だが、何もしないことに罪悪感を感じ、自己嫌悪になる日々。ただ生きているだけで、ごめんなさいと思ってしまう日々が続き心も体も持っていかれる日々もありました。 その中でもまわりの友

          澄んだ空のその先は。。。

          澄んだ空、雲一つない。 どこまでも広がっている平野、そして透き通った風が抜けていく。 少年の肺に故郷の風が入るたびに、彼の胸は引き締められていく。 馬のたてがみがなびく。 「さぁ、家に帰ろう。」 そう彼は、愛馬にそう告げた。 ゆっくり走り出した愛馬の呼吸が体に伝わってくる。 それは心地よく、安らぎをもたらしてくれた。 躍る鼓動を感じながら、少年は故郷へ向かうのであった。 #1 つづく

          澄んだ空のその先は。。。