早坂 類『早坂類自選歌集』より
RANGAI文庫, 2019.
『風の吹く日にベランダにいる』河出書房新社, 1993.
あらかじめぬぐわれていてさらさらの快晴のもと光る草や木
ティンパニの音がかすかに鳴っている夢に出てくるみたいなカフェ
回転ドアのあの三角にぎゅうぎゅうと君といっしょに入りたかった
どんなにか遥かな場所から僕にくる風の吹く日にベランダにいる
ふかぶかと座れぬイスを捨てにゆく夢からさめて生きている朝
清らかにボタンを留めるひとつまたひとつひとつを祈りのように
さあ僕はこんなにも逝く冬の日にシャツのボタンをかけまちがえる
天国の浜辺できみを呼んでいる私の椅子は春のそらいろ
『ヘヴンリー・ブルー』Book Park, 2002.
秀歌なし
『黄金の虎 ゴールデン・タイガー』まとりっくす, 2009.
秀歌なし
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