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#005 国立博物館 特別展 中尊寺金色堂

今日、1月23日から4月14日まで東京国立博物館で中尊寺金色堂の特別展が開催されます。初日に記念トークイベントがあったので行ってきました。博物館の初日に行くなんて初めて。

特別展「中尊寺金色堂」

世界遺産「平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」の構成資産でもある中尊寺。建立900年の特別展だそうです。
会場に入ったら大型ディスプレイに8Kで撮影された原寸大の金色堂ビデオが流れていて、まずその大きさにクラクラしました。
(立体感が凄すぎて近くで見たら目眩がした)
展示の詳細は公式サイトに譲るとして、圧倒されたのは「金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅」です。お経で宝塔を描いてるの。これはすごかったなー。塔の屋根の立体感とか、お経で書いてるのに絵だった(語彙よ・・・)
金銀字一切経もすごかったな。さすがに線が引いてあってまっすぐ、金と銀が交互に書けるようにしてて、なんだろ、ちょっと安心したというか。
11体の仏像も迫力だったし、見に行ってよかったと思いました。

入り口(会場の中は金色堂の模型以外撮影禁止)

記念トークイベント

13時半から中尊寺の建立900年を記念したトークイベントでした。最初に中尊寺の奥山元照 貫首から「金色堂建立900年に寄せて」と題して、棟木に記された内容の説明と金色堂が誰によって建てられたか、という話。
900年前の上棟式の棟木が見つかるのもすごいし、そこに書かれた文字がしっかり分かるのもすごい。上棟式は、天治元年 八月廿日で、どんなサイズのなにを建てたか、誰がスポンサーだったかってことが書かれてました。藤原一族の私堂だったそうです。
 思ったより展示室が小さかったとおっしゃってたけど、展示の密度が濃いからそう見えたんじゃないでしょうかと思いました。

金色堂の謎

続いては、岩手大の菅野先生の「東アジアの仏教文化と中尊寺金色堂」という講演。一般的な阿弥陀堂にしては11体も仏像があるのは多すぎるとか、金色に塗りすぎとか、遺体を堂内におくのはおかしいとか、そういう疑問から古代東アジアの仏教史と絡めて「金色堂」の意味を紐解いていく内容でした。研究者らしく講演にエビデンスがめちゃくちゃたくさん出てきて、阿弥陀堂における六地蔵の意味とか、往生伝とミイラの関係とか面白かったです。唐や宋の時代の高僧は真身(ミイラ)になって礼拝されてるとか。漆を塗って、それを礼拝していたそうです。それは日本に伝わって天台宗延暦寺で生身往生信仰として伝わっていたとか。中尊寺は延暦寺の直系だから、清衡がその話を知らなかったはずはなく。だから自分も生身往生化しようとしたんじゃないか、、、という話でした。
金色堂の研究は、近年とても進展しているとか。今後の研究が楽しみですね。

この手の講演に参加するのはすごく久しぶりだったけど、とても面白かったです。平泉と中尊寺の観光パンフレットたくさんもらったし、行ってみたくなりました。

金色堂の模型(これは撮影OKでした)

今回はたまたまインスタに展示会の案内が出てきて、日にちが合ったので出掛けてみたけど、こういう偶然のチャンスを逃さないようにしたいな。
世界遺産の勉強を始めてから、いろんなことを見聞しに出かけようって(前よりも強く)思えている。なにがキッカケで世界が広がるか分からないし、求めよさらば与えられん。これからもアンテナ立てていこうと思います。

ランラン道はこうして続く。

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