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tom.vol.6  志布志市(鹿児島県)での楽しい釣りライフ2!・・・のはずが・・・。

志布志市地域おこし協力隊村山です。
少し投稿に間が空いてしまいましたが、前回のブログの終わりでお伝えした通り、今回も釣りの記事となっています。8月8日に発生した日向灘地震より以前の釣行となっています。
また諸事情により写真はほぼありません、理由は後程・・・。
さて、鹿児島での釣りについて前回のブログでは、

「鹿児島県内で正しく釣りをするなら、河川(一部漁業権の確認が必要)、砂浜、地磯、釣り堀、釣りイカダ、海釣り公園、船、船による瀬渡しでの釣り・遊泳可能な場所での素潜りなら可能。」

と紹介していましたが、この「船」というところに注目したいと思います。
もちろん自分で船舶免許を取得するなりし、操船しながら釣りをするという手段がありますが、もっと手軽なところでは、ボートやSUPを利用した釣りが出来るんです!

知ってるよ!!という方も居るとは思いますが、釣りに対する規制の厳しい鹿児島県。ちゃんと知っておく必要はあると思うので、詳しく説明すると、ゴムボートを含むボート、ヨット、カヤック、SUPでの釣りは、県内で一部規制されている区域はありますが、自分が確認した限り錦江湾や志布志湾で規制はされていないとのことでした。(ただし、3メートル未満などの大きさの制限もあるので県や各市町村、漁業組合などへの確認が必要です)
また、エンジンも免許なしに使える範囲があるので(船外機の出力が2馬力以下、1.5kw未満のものであれば、船舶操縦免許がなくとも運転が可能)自己責任で取り付けることもできます。

そして、自分が所有しているのがインフレータブル(空気で膨らませる)のSUP!

過去の錦江湾での釣行

これまで8年に渡り、錦江湾で何度もSUPフィッシングを楽しんでいます。
しかし、これらも今はまだ詳しい規制が無いだけで、しっかりルールを守っていかなければ利用できなくなるかもしれません。
大雑把にですが、守るべきルールを箇条書きしていきます。

・ゴミは持ち帰る。
・自治体や漁業組合が禁止としている場所では釣りをしない。
・養殖の生け簀や、たこつぼ漁などのブイの周囲で釣りをしない。
・船の航路上で釣りをしない。
・トローリングをしない。
・船と比べて目立たないので、目立つ色の服を着用する。
・少しでも目立つようフラッグを立てる。
・波風の影響をうけやすいので、天候や潮の流れをしっかり把握する。
・落水時にSUPが流されるのを防ぐのにリーシュコードを利用する。
・ライフジャケットを必ず着用する。
・防水対策をしたスマホなどの連絡手段を身に付ける。

ゴミや、釣り禁止の場所など当たり前のことも書いていますが、この中の注意事項のうち、ほとんどが自分の命を守るためのものです。
これはあくまでルールや注意事項で厳密に義務付けられているものはありません。
ですが、SUPでの事故や遭難といった話が無いわけではないですし、実際自分も強風で一時岸に戻れなくなり恐ろしい思いをしたので、今では潮の流れだけでなく、風や波予報もしっかり確認して行くようにしています。
因みにその時は風が弱まるのを待って、出発していた岸とは別の方向の岸になんとかたどり着きました。

長々とルール的なものを書きましたが、眼前に広がる志布志湾。
これで釣り人がボートやSUPを持っていて釣りをしたいと思わないわけがありません。
そのために市や県に確認し、再度ルールについても調べ直しました。

ということで、気圧配置や波・風予報を確認し、べったべったのベタ凪の日を狙って釣りに行ってきました!
志布志湾から沖に流されたという話も聞いていたし、過去に岸まで戻れないという恐怖体験をしたこともあり、今回はとりあえず岸からあまり離れない位置で、短時間だけ釣りを行うことにしました。

朝5時半、出発地点の砂浜に到着し、波の様子など確認した後SUPを膨らませます。道具の準備等を約1時間で済ませて早速出発。
SUPに乗るのは半年ぶりくらいで、志布志で初めてSUPをするということもあり、多少の緊張感はありましたが、気圧配置や波・風予報をちゃんと見てきたので、とても穏やかなベタ凪の海。
波の抵抗なども特になく、スイスイと進めます。この波に揺られ、ぷかぷかとのんびり海に浮かぶ感覚。気持ちいいですねぇ。

そして遠くに行く必要はないので早速釣りを開始。
いろいろ道具は持ってきていましたが、間違いなさそうな餌釣りから始めると・・・・、すぐに反応が!
小さいマハタでした。すぐに逃がしましたが、そのあとも根魚を中心にぽつぽつと釣れ、釣果は好調!
食べごろのマハタ、アラカブをキープし、その後ベラ、エソ、フグなど5目釣りを達成。3時間程遊び、もう少し遊んで帰ろうかと思っていたそのときでした。

足元からの「ボンッ!」という大きな破裂音とともに、一気に体勢を崩し落水。
いつかやるとは思っていたのですが、何の前触れもなくいきなりSUPがバースト(経年劣化による接合部からの破裂)しました。
そして、自動膨張のライフジャケットを付けていたのですがこれも作動せず・・・。
ライフジャケットを購入したのはSUPを買った8年前ですが、製造年から計算すると10年以上経過していました。
ボンベには基本的に使用期限は無いみたいですが、水に対する感知制度が落ちたり、錆などにより動作しないということがあるらしく、今回の場合水による感知が作動しなくなってしまっていたみたいです。

楽しいSUPフィッシングのはずが、急転。生きて帰ることが目標に切り替わります。
ライフジャケットは作動しませんでしたが、SUPが浸水したところから折れ曲がり、ちょうど大きなビート版のようになり、半分ほど空気が入ったままの状態を保てたので、それにしがみついて、ひとまず難をしのぎます。
釣り竿や釣り道具・・・後々計算したら合計5万円程の道具は海に沈んでいきましたが、そんなこと言っていられません。
クーラーボックスも運よくSUPに引っ掛かった状態だったので、最悪それだけでも浮き輪代わりに使えそうでした。

体勢を整えたら次は救助の要請です。
近くに漁船などは見当たらなかったため、防水対策をしていたスマホですぐに110番を発信。
正確には118番が海難救助の番号だったのですが、当時は失念していました・・・。
警察にSUPが破裂し漂流していることを伝えるとすぐに逆探知し、現在地を特定、救助を要請してくれました。
その後すぐに118番を教えてもらい、118に発信・・・するもスマホの防水対策があまく、ケースに少しずつ海水が浸水しており、118番につながって数分でやり取りができなくなり、完全に使用不能に。
この時に、撮影していた海や魚の画像も完全に消失してしまいました。
ギリギリ漂流している場所まで伝えられましたが、あとは救助がくるまで待つことしかできません。

とりあえずSUPに掴まって浮いているだけのことはできたので、なるべく岸から離されないように、体力を消耗しない範囲でバタ足で流れに抵抗。このとき、とても穏やかな流れではありましたが、沖に向かって潮が流れていました。
陸からの距離はそれなりにキープできていましたが、時間がたつと共にじりじりと離されていきます。

腕時計をしていなかったので、携帯が水没した今、時間を測るものがありません。
何分経ったのか・・・警察の話によるとすぐ救助を要請したとのことでしたが、船もヘリも来る気配がありません。
正直半分浮いたSUPに掴まり、わりとのんびりとしていたのですが、時間が分からないこともあり、だんだん不安になってきます。
もう1時間くらい経ったんじゃないのか・・・?まだ来ないということはもしかしてあと数時間・・・もしかしたら夕方・・・もっと助けが来ないで沖まで流されてしまうんじゃないか・・・・?志布志湾には人を襲うサメも生息していたはず・・・・。そんな考えがよぎり始めたときでした。

遠くに一艘の船の姿が見え、真っすぐこちらに向かってきます。
助けが来た!!
持っていたパドルを持ち上げ、船に振って見せます。
そのままゆっくり近づいてきたのは、5メートルほどの漁船でした。
後々聞いた話によると、夏井漁港についた警察は付近に見当たらないことを確認した後、ちょうど出航する予定だった漁師の方に声をかけ、救助を要請したとのこと。
1時間以上流されていた気分でしたが、電話してから救助されるまで約40分程の出来事でした。この漁師さんがちょうど出ることが無ければあと何時間流されていたかわかりません。

実際に事故のあった場所

漁師さんに引き上げてもらい、破れたSUP・クーラーボックスなど一部の道具を回収し、出発地点近くの夏井漁港まで連れて行ってもらいました。
船に乗ってからは、しばらくぼーっとしていました。
安堵感と、ずっと続けていたバタ足からくる疲労感・・・。漁師さんに水分は大丈夫かと聞かれてようやくクーラーボックスから飲み物を取り出し、水を飲みました。
しっかり水分はとっていたので水分不足にはなっていませんでしたが、ずっと海水に浸かっていたので、真夏の海面とはいえ、かなり体は冷えていました。

漁港に戻ると、警察と海上保安関係の方が待っていました。
陸に足をつき、荷物も引き上げ一息つくと、漁師の方は警察と連絡先を交換したのち颯爽と海に去っていきました。
感謝の言葉を伝える時間はありましたが、数日後、お礼に伺わせていただきました。
あの漁船の救助が無ければあとどれだけ不安な気持ちで海を漂うことになっていたのか、感謝しても感謝しきれません。
ちなみに南日本新聞の記事がヤフーニュースで取り上げられていましたので紹介しておきます。

警察から事情聴取を受け、海保の関係者からも話をされましたが、特にお叱りを受けるようなことはありませんでした。
ライフジャケットを着用し、ちゃんと連絡を取れたことは良かったが、道具のメンテナンスはしっかりしたうえで今後もレジャーを楽しんでください、と最後に声をかけられてその場で解散となりました。
病院も勧められましたが、ケガもなく、健康上問題もなかったのでそのまま道具を車に積み込み帰宅しました。


バーストしたSUP(先端の上面が大きく破けていました)

しかし、車のカギがスマートキーで、このとき奇跡的に車が動きましたが、帰宅後スマートキーも水没していたため故障。
鍵を差し込むタイプでなかったので、車も動かせなくなってしまいました。
実質の被害を考えると大したことはなかったのですが、反省点はたくさんあります。

①まず、今更海に落ちることはない(あったとして落ちやすい浅場だけだろう)と高を括って、車のカギやスマホの防水対策を疎かにしたこと。
スマホは防水ケースに入れていましたが、しっかり閉じ切っていませんでしたし、以前ならしていた車のカギをビニールに入れるなどしていた対策を今回はしていませんでした。

②道具の状態の把握や管理を疎かにしたこと。
SUPの耐用年数を帰宅後調べてみましたが通常6~7年とのこと。自分は購入して8年経っていましたが、使用頻度が低かったので、まだ保ったほうなのだと思います。またライフジャケットも、ボンベを替えておくべきでしたし、何より海保の方に言われたのが、自ら口で膨らませることもできたことを失念していました。

③道具が水没しないための工夫。
初めにSUPフィッシングを始めたころは、船に積んだ道具にネットをかけ、しっかり固定していたのですが、数を重ねるうちに面倒になり、道具を入れたカゴを固定するだけで、ネットをかけたり道具が落ちない工夫をしなくなっていました。
このため多くの道具が転覆とともに海水に沈んでいきましたが、荷物が全てついた状態だと、SUPがどんな形で転覆したかもわからないので何とも言えませんが、多くの道具を失うという一番大きかった心の傷を負うことは無かったかもしれません。

④家族や職場の人、知人や友人に行き先を伝えていなかった。
もう8年も慣れ親しんだレジャーでいざというときの助けを呼ぶ手段もあったとはいえ、身一つで海に乗り出すというレジャー。最低でも家族にだけでも行き先を伝えておかないと携帯が使えなくなったときに救助の方法が偶然誰かに見つけてもらうほかなくなってしまいます。
報告の大事さも今回身に染みたひとつでした。

今回、人生上一番の事故となってしまい、楽しいレジャーのはずがかなりの痛手を伴う結果となってしまいました。
もちろん起こしたくて起こした事故ではないし、自損・・・ですらないような事故ですが、この度警察や海上保安の関係者、救助して下さった漁師の方を含め、多くの方に心配とご迷惑をおかけすることになってしまいました。
再三ではありますが、この場でも心からお詫びとお礼を申し上げます。

これらの反省を踏まえたうえで・・・・やはり海は好きです。釣りも好きです。またSUPや道具も新調して楽しむ予定です。
さすがにこんなことがあった後なので、しばらく期間は開けたいと思いますが、それでもまた海に行きたいと思っています。
自然の力は強大で恐ろしい一面もありますが、普段慣れ親しんでいる穏やかでキレイな海の世界、釣りの楽しさも自然の恵みのひとつです。

次はまた初心に返り、しっかり準備をしたうえで志布志での釣りを楽しみたいと思います。
また、志布志の海というものを把握出来ていないので、釣り抜きにして安全な範囲で志布志湾をSUPで探索してみても良いと思いますが、とりあえず新調してからですね。
志布志から少し離れたところになりますが、錦江湾では釣りイカダなどもあるので、しばらくはそういったところで釣りをしたいと思います。

それでは今回の記事はここまで。
次のSUPフィッシングの記事ではキレイな画像をお届けできれば良いなと思います。それでは。

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