
おぉー、心の友よ!
某マンガのガキ大将キャラがよく使う言葉ですね。
最近は全く見てませんが、よくよく思い返してみると、キャラクター毎の特性が分かりやすく設定されていて、子供でもすんなり受け入れられる作りだったんだなと納得出来ます。
何の友?
まずはキャラ設定をおさらいしてみましょう。
弱気で何をやらせてもからきしダメ。時には未来道具を使ってとんでもない悪戯をするものの、夢や希望を持ち根は優しい主人公。
主人公の補佐役で未来から来た青いロボット。
ガキ大将で相手の顔に拳がめり込むパンチを放つ乱暴者。
ちなみに、パンチ力は計算すると数トンくらいになるらしい。
家がお金持ちで仲間が見たこともないものをすぐ自慢してくるお坊っちゃま。
そして優しく正義感のある女の子。
この設定からすると、主人公はたしかに「心の友」と呼ばれてしかるべきですね。とすると、お坊っちゃまキャラは「フトコロの友」、ガキ大将は「腕力の友」、女の子は「正義の友」といったところでしょうか。
リアル世界では、このメンバーがいつも一緒に遊ぶことは考えられない気はしますが、まぁ、そこはマンガ。目を瞑るとします。
とはいえ、いくら何でもフトコロの友とだけは呼ばれたくはないですね。
アートと心の友
さて、アート作品に必要な要素って何でしょうか?
端的に言ってしまえば自己表現を突き詰める上で必要な要素全てです。
これだとアートの定義自体が曖昧な上に曖昧の上塗りをしてるようでなんとも釈然としません。
ですので、先ほどのマンガのキャラ設定を参考に簡単な定義付けをしてみます。
心 : 描かれてる題材、風景、表情が心に響く
技術 : 技法、技量、精神力など、個人の努力が心に響く
コスト : 作品の大きさ、金銭や人的コストなど、集団の努力が心に響く
主義主張 : 正義感から来る風刺など、あるべき正しさが心に響く
これを皆がどこかで目にしたであろうアート作品に当て嵌めてみます。
田舎の原風景や穏やかに笑うおばあちゃんに始まり、ほんわかとしたパステル作品まで、見ていて優しくなれるアート作品は「心」。心の友ですね。
精魂尽き果てるまで描き続けて仕上げたのが見てとれるような細密作品は「技術」。腕力の友でしょう。
横浜にあるガンダムの立像はどうでしょうか?
(キャラクターだからアートではないという意見は無視します)
完全に「コスト」。フトコロの友ですね。
そして貧しい村の少年たちを撮り続け、豊かさとは?を問いかけた写真作品などは正義、正しさを基盤とした「主義主張」。正義の友でしょう。
もちろん中間的な特性を持つものもあったり、全てを内包していたり、全てから遠いものもあるかもしれません。
それらも含めて自己表現のために創られた作品、それがアート作品ということになります。
ここまで来て、あれ?あの青いロボットは?と気になった方、多いんじゃないでしょうか。
あのロボットは未来から来たため、今の基準には当て嵌まるものが無かったり、ハイテクを駆使したものが分類されます。
例えば、これから世に出るVRやARを駆使したアート作品はそうかもしれません。
私の分類やいかに!?
大袈裟に言ってみましたが、私の場合100%ゴリゴリの腕力勝負です。
自己評価もそうだし、仲の良い画家さんにもそう言われました。
描きたいものを渾身の力を込めて(細密に)描く。それが私の作風です。
今回はアート作品を制作する作家の新たな分類方法を提案してみました。
ご自分の作風から、どんな系統に分類できるか自己分析してみると面白いですよ。
興味が湧きましたら是非。