東洋経済14

時間差一夫多妻と時間差一妻多夫は、もしかしたら未婚化の解消に貢献するかも?

生涯未婚率上昇の話とか、未婚・非婚の話の際に、いつも抜け落ちているのが「男余り」という現象。

未婚男性と未婚女性の人口差は300万人以上もあるんです。この事実、本当にみんな知らない。それはかつて、こちらの記事でも書いて、それがマツコデラックスさんの「月曜から夜ふかし」でも取り上げられました。ですが、取り上げるのが深夜のバラエティしかないのが不思議です。なぜ、ニュースで取り上げられないのか、と。

で、その「男余り現象」の要因は何かといいますと…

ひとつは、そもそも男の方が多く生まれるからです。出生男女比で言うと男の方が5%ほど多く生まれます。これは、統計が残っている明治時代からほぼ変わりません。

え?たかが5%でしょ?と思いますか?毎年5%も多く生まれるのだから、積算すると大変です。1956~1995年の出生数の男女差を見ると、男子3389万人、女子3197万人となり、差し引き192万人男が多く生まれています。結構な違いです。

そして、もうひとつが再婚です。

再婚男性は初婚女性と結婚したがる傾向があります。
生涯未婚のまま一生を終える男性がいる反面、何回も離婚再婚を繰り返す「バツあり男」がいるわけです。これは、「時間差一夫多妻」といってもいいかもしれません。

そんなことを、東洋経済オンラインの連載「ソロモンの時代」で記事にしました。

未婚男が割を食う「バツあり男」の再婚事情
初婚女を狙うのは余っている男だけじゃない

http://toyokeizai.net/articles/-/173229

ぜひご一読くだい。


実は、いろいろ調べていて、自分でも意外な事実がわかりました。1980年から2015年の累計の再婚数を見ると、確かに「再婚男×初婚女」の組み合わせは約200万組で多いのですか、「初婚男×再婚女」の組み合わせも152万組もあるんです。時系列でみると、確かに再婚女性と結婚する初婚男性の数は増えています。

増えているとはいえ、まだまだその分は8%もあるわけで、再婚男によって未婚女が奪われているという状況には開きがあるままです。

よくよく考えれば、男余りといっても、初婚同士しか結婚できないわけじゃない。再婚女が初婚男ともっと結婚するようになれば、それこそ未婚率は改善されるんじゃないでしょうか。沖縄県などで深刻なシングルマザーへ世帯の増加という部分についても、再婚女性が増えることで解消もするでしょう。もともと、江戸時代の庶民は、離婚再婚を繰り返す柔軟な人たちでした。


そんな「時間差一夫多妻」の上昇率、都道府県別ランキングも掲出しています。あなたのお住まいの県は何位でしょうか?

そして、意外な県が1位になっています。

滋賀県です。

今回のランキングはあくまで、再婚男女率の上昇率です。再婚男女数が多いという絶対数ではないので誤解しないでください。 

それにしても…滋賀県?なぜなんでしょう。ちょっと前まで、人口増加していた希少な県でもあります。正直、滋賀県で再婚率が増えている理由は個人的にわかりません。


滋賀県の方、ご存知でしたら教えてくださいw


追記

この記事、おかげさまでたくさんの方に読んでいただきました。金曜公開からたった3日で週刊ランキング5位、週刊いいねランキングも5位です。ありがとうございます!


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荒川和久/独身研究家・コラムニスト
長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。