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孤独担当大臣?いらねーよ、そんなもん!

本日1/29発売の週刊プレイボーイの取材を受けました! 

先ごろニュースで話題となった英国の孤独担当大臣のニュース。

英国で「孤独担当相」新設、現代社会の「悲しい現実」に対処

この「孤独担当大臣は日本にも必要か?」という特集のインタビューに答えています。もしよろしかったらご覧くださいね。


結論から言うと「そんなもんいらねーよ! 」です。


孤独=悪ととらえるステレオタイプの考え方からいい加減脱却しましょうよ。


たぶんですが、孤独じゃない状態=結婚や家族と一緒にいる状態こそが正義であると言いたくて仕方がない人がたくさんいるんでしょうね。だから孤独に一人でいる状態は悪であり、駆逐しなければいけない状態なんでしょうね。


あほか! 


日本でゴミ屋敷の中で腐乱死体として発見されるいわゆる「孤独死」(僕はこれを孤独死とい言いたくなくて、これは社会的孤立死と言っていますが)するのは7割が高齢の男性で、そのほとんどがかつて結婚していたおっさんなんですよ。


おかしくないかい?


「結婚しないと孤独死するぞ!」 と脅しておいて、実際孤独死しているのは「結婚したやつ」じゃねーかよ、と。


つーか、そもそも死なんてものは孤独なものなんです。いくら家族に囲まれて死んだとしてもも「人は一人で死んでいく」んです。そもそもそこを誤解しているから「さびしい」とかの感情が生まれるじゃないの?


ちなみに、イギリスの試算では、孤独な人たちは年に4兆9200億円の経済的負担を国に強いているんですってよ。要は、孤独の寂しさからアルコール依存やうつ病になり、国の医療費を圧迫しているんだ、と。

これさ、考えようによっては邪魔者は死ねって言っているようなもんでさ、ずいぶんとひどい話だと思うわけよ。

僕から言わせれば、孤独かどうかは別にして、単身一人暮らしでちゃんと働いて生活している人間は、税金も納めているし(しかも、家族持ちより控除のない状態で実質独身税支払っている)、特にソロ男なんかは平均3.4人の家族世帯より実額で倍以上の外食費を支払っている。人数×単価で言えば、日本の外食産業を支えているのはソロ男たちなんですよ。

経済負担どころか経済に貢献しているじゃん! 

加えて、ずっと未婚の男なんざどっちみち生活習慣病になって、60代で死にますよ。自分が払った年金も受け取らずに払うだけ払って先に死ぬ。なんて国思いの人たちなんでしょうか。下手すりゃ90歳、100歳生きる親より早死にするね。

当事者にいわせりゃ、早死に?それがどうした?って話なんですよ。


ほっとけよ、と。


イギリスのメイ首相は孤独担当大臣についてこう言っています。

「多くの人々にとって、孤独は現代の生活の悲しい現実です。私はその現実に立ち向かい、我々の社会や高齢者や介護者、愛する人を失った人々ーそして自分の考えや体験を話したり分かち合う相手のいない人の孤独に対して、行動を起こしていきたい」

なるほど…どっちかというと高齢者対策なわけだ。

だけどさ、長年連れ添った夫に死なれた高齢のおばあちゃんが、夫が生きていたころより幸福感が高まるってデータもあるんですよ。独りになるってことがそんな悪いことでもないんじゃないの?

むしろ妻も子もいるけど家に居場所のない父親の方がよっぽど孤立感を味わっているんじゃないの?いじめにあいながら、先生にも親にも救いを得られない子どもだって孤立感を感じているかもしれない。会社に属していながら、何のやりがいも与えられず腐っているサラリーマンも同様だ。母子家庭で貧困にあえでいる母親だって孤立しているぞ。

物理的に一人でいることが問題ではなく、心理的・社会的孤立感に苦しむことが問題であり、それは独身とか未婚とか一人でいるとかいう状態には依存しないと思うわけですよ。

シェアハウスに集めれば孤立の寂しさが解決するとでも思っているの?趣味やクラブのサークルに参加させれば孤立の寂しさが解決するとでも思っているの?

ちゃんちゃらおかしいってんだ。

お前ら、本当の孤立の苦しみ、知らねえだろ! 

国会議員になるようなやつとか、いい学校出て官僚になるような優秀な人たちに、本当の孤立の苦しみなんかわかるはずがないんですよ。


孤立の苦しみから脱出させるのは、決してハードとしての場なんかじゃないし、見せかけの会話じゃない。本人の内面にある自己肯定感の問題なんです。

そこに触れずに見せかけの「孤独じゃない状態提供しますよ」みたいなことやったって何一つ解決するはずがない。

障碍者に対して「大変でしょう」と声をかけたり、配偶者と死別した人に対して「おさびしいでしょう」と声を掛けるのは、一件親切心のように見えるが、それこそ無意識下にある上から目線のマウント行為にすぎない。本人がそれに気付いていないから余計に始末に負えない。

大体ね、同じイギリスのロンドン市長が「街中からホームレスを排除する」みたいなこと言って問題になってたじゃん。ひどい話さ。表面上ホームレスを街から一掃したところで何の問題解決にもならない。


イギリスのことはよく知らないが、こんなの仮に日本に孤独担当大臣なんか作ったって何の機能も果たさないのは、少子化担当大臣ができてから少子化が加速した事実見れば一目瞭然


救うべき孤立は高齢者じゃない。甘えんな、大人ども! 


むしろ子どもたちの孤立をお前ら大人たちが救うんだよ! 働けよ、ジジイもババアも。自立しろよ、あなたたちから率先して。金を使えよ、箪笥貯金ばかりしてねえで。

そう思います。

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荒川和久/独身研究家・コラムニスト
長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。