同類縁は大切だけど、それだけに依存すると危険ですよ!
東洋経済オンライン連載、更新です。
今回のテーマは「同類婚」です。社会学的に「同類婚」とは、性別・年齢・民族・宗教・所得階層・学歴・職業などで特徴付けしますが、今回は、年齢・学歴のふたつに絞りました。
ちなみに、僕自身意外だったのは、年齢同類婚比率が高まってはいるのですが、婚姻数の絶対数が激減しているため、年齢同類婚数そのものはそれほど増えていません。むしろ婚姻数を減らしているのは、「夫が年上」婚の大幅な減少なんですね。
そして、女性の大学進学率に増加に伴って、高卒同士の学歴同類婚も減少しています。
すると見えてきたのは、高卒男性の結婚難です。是非ご一読ください。
結婚できない男を阻む「見えない学歴の壁」
同年齢・同学歴婚進み、高卒男は八方塞がり
今回の記事も公開数時間で24時間ランキング1位になりました。ありがとうございます。
高卒について書いているからといって、高卒男性は結婚できないのだとディスっているわけではありません。ちゃんと読めばもちろんわかりますが、読まずにタイトルだけ見て判断する人がやっぱり今回も多数います。
地域や職場といったかつての安定したコミュニティが失われつつある中、年齢や学歴、あるいは同郷であるとかの同類意識が強くなっているのは否定できません。これは結婚に限りません。友人同士の付き合いにも当てはまります。いわゆる同類縁=スモールコミュニティの流れです。
ただ問題は同類ではない異類同士が出会う場がなくなっているということです。だからこそ、そうした肩書きとかレッテルに影響されずに、人そのものと付き合う形のコミュニティが大切になってくるのではないでしょうか。
自分の人生経験上でいうと、年齢が近いとか学歴が一緒だとかそんなものはたいして問題ではなくて、年とか学歴とか関係なく、考え方とか同じ対象に興味があるとかの方が大事。
長い人生において4年間大学に行ったかどうかなんて本当に関係ないし、そんなもんで人間の価値は決まらない。
僕自身は大卒ですが、高卒の友達もたくさんいますし、職人さんなんかはリスペクトしています。飲みに行っても刺激頂くことも多いです。年の差も関係ないし、むしろジジイとかより20代の若い子の方が面白い。
「おれたち○○世代は…」とかいって同い年で集まってるおっさんとかは、もう少し自分のコミュニティの幅を広げる努力をすべきだと本当に思います。
もちろん、いい大学に入ることや、いい企業に就職すること自体を無駄と否定はしませんが、それだけで人生すべてが決まるという考え方はあまりに古い。そういう同類意識だけに依存してしまうのは「きわめて危険」です。
同類意識は仲間としての絆を生みだしますが、同時に異類を敵視し、排除意識も生みだす場合もあります。その排除は、翻って周りからの自分の排除につながりますよ。
学生時代からの友人だけとか、職場だけの知り合いしかいない人は、自分のつながりを見なおした方がいいです。
人とのつながりや縁は、生きている限り常に創り続けること。それが必要だと思うし、それが生きるってことだと思います。