孤独は病ではない。病と考えてしまう人が孤独なのだ。
週刊東洋経済11/3号「孤独という病」という特集にて、インタビューが掲載されました。
それにしてもインパクトのある表紙だ!
以前ここでも書きましたが、歌手安室奈美恵さんのファンを事例にして「インサイドコミュニティの充実が大事だ」というお話をしました。
よろしかったら(立ち読みでいいので)ご覧ください!
人には自分の外側にあるアウトサイドコミュニティとは別に、自分の内面にインサイドコミュニティがあります。
アウトサイドコミュニティとは、文字通り外の世界にいる他人とのつながりです。インサイドコミュニティとは、自分の内面にある、多数の自分自身が存在しているコミュニティを指します。
人は誰かとつながることで、無意識に「その人によって生まれた新しい自分」を生み出しています。たくさんの人とつながれば、それだけ多くの新しい自分が自分の中に芽生えるんです。それを僕は「自分の中の多様性」といっています(拙著「超ソロ社会」に詳しく書きました)。
インサイドコミュニティについてはこちらの記事を参照ください。
孤独対策とかでよく「友達を作るべき」とか「趣味を持つべき」とかよく言う人いるんですが、まったくわかっちゃいないなと思うわけです。友達も趣味も、努力して見つけ出したりするものではなく、気付いたらそこにいる/あるものです。
大体、簡単に友達が作れるくらいなら孤独に苦しんだりしないよ。
趣味なんてものは内面から沸き起こる気持ちによってやるものであって、義務感とかでやったところで何も楽しくないし、むしろむなしいだけだよ。
友達なんかいらないし、無理やり趣味を作る必要もない。
友達を作るために人とつながるんじゃないんですよ。すべては自分の中のインサイドコミュニティを充実させるために人とつながるんです。そして、それが充実してくれば自然と友達なんてものは周りにいるもんです。
心の空虚感を埋めるために無理やり趣味なんか見つけなくてもいいんですよ。人とコミュニケーションとるのが苦手なら、本や映画とつながりましょう。散歩をしましょう。どこでもいいから一人で店に入ってみましょう。ひとり旅をしてみましょう。そういう行動を積み重ねていけばいいんです。
時間を忘れて没頭できるものが趣味です。だったら生きることを趣味にしましょう。それでいいんです。
僕は、孤独を悪扱いしたり、病気扱いをする人間をとことん軽蔑します。孤独じゃない状態と孤独である状態とを善悪にするような二項対立論も大嫌いです。
白と黒しかないわけじゃないんですよ。「孤独じゃない人間」と「孤独な人間」なんて二種類に分けられるはずもない。誰だってさびしいと感じる時もあるし、逆に一人になりたい時だってあるんです。
孤独を病気とか悪とか、必要以上に恐れ、嫌悪する奴こそが本当は孤独なんだと思うよ。
孤独は病なんかではありません。病だと考えしまう人が孤独なのだ。
状態として一人でいることと心が孤立してしまうこととを混同させてはいけない。本当に苦しいのは、周りにたくさんの人たちがいるのに疎外感を感じてしまうことだ。
状態として一人であることを極度に怖れて、無理やり群れようとしてしまうことの方が病気じゃないかと思う。