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意識高い系の人たち、名刺出さないで人とつながれますか?

NewsPicksでは、東京の丸ビルを舞台に一夜限りの酒場「丸の内ビジネス酒場」をイベント的に展開していて、昨年実施されたDMM.com会長・亀山敬司さんによるトークセッションの模様が記事として公開されています。

亀山さんのお話は非常におもしろいし、タメになることも多いので是非! 

【亀山敬司】若者にカネを出して見守る。それが「大人」のやり方

【亀山敬司】大企業の社員は、週末にベンチャー村へ出かけよう

【亀山敬司】人間は一生勉強。37歳から学んでも全然遅くない


2番目の記事にあるのは大企業に勤めている社員に向けた言葉。

大企業に勤めている人ほど、自分の会社の関係のある人たちだけのつながりしかない人が多い。何千人も社員がいたとしても、実は毎日顔を合わせているのはせいぜい10~20人なんですよ。

こういう状態が一番まずい。本当に自分自身が「よどむ」。


会社の人間との付き合いが悪いわけじゃないけど、いつも同じメンバーと話し合っていても何も生まれないんです。

だからって、外部の異業種交流会なんか行くのも意味ない。

ああいうところで名刺交換して満足している人はもっとヤバい。たぶんそういう人って、名刺出さないと人としゃべれないと思うんですよ。

それがダメだとは言わないけど、名刺交換もせずにどこの会社とか肩書きとか知らないまま、酒飲みながら知り合った人との話が、あとあと自分にとってものすごく有益な場合が多い。

それこそ、マーク・グラノベッターの言う「弱い紐帯の強さ」なんです。いつも一緒の強い絆の間柄より、有益で新規性の高い刺激をもたらしてくれるのは、いつものメンバーとは違う弱いつながりの人たちの方です。いつものメンバーは安心は提供してくれますが、刺激はくれません。


僕がやっている「スナックぼっち」もまさにこんな「弱い紐帯」のきっかけ作りの場なんです。

スナックぼっちに参加していただいた「借りてきたネコ」さんが、当日のことをブログに書いてくれました。彼女ともこの日が初対面でした。

「なにもの」にもなれなかったヒトブログ「スナックぼっち」に参加してきた

初対面だと人と話せなくて…なんて思っている方がいたら、ぜひ次回の「スナックぼっち」にお越しください。20人程度の集まりなんで、絶対に話をしないといけない状態になりますから。

もしかしたら、そういう場に来なかったら一生会わなかったかもしれない人たちがそこにいます。その日を限りに一生会わないかもしれません。でも、直接会って会話をすることで、自分の中に「その人によって生まれた自分」が生成されます。必ず生まれます。

この「自分の中の多様性」を生むことが大切なんです。



亀山さんの話に戻るけど、3番目の記事でこんなことを言っています。

もちろん今だから「若い奴に投資」とか言ってるけど、俺も若い頃はプレイヤーだったから、自分に投資してたよ。

プレイヤーとしての自分に投資。


これがとても大事。

正直、こういうイベントに来る人とか、さっきの話じゃないけど、NewsPicksでコメントしている人とか、異業種交流会に行きがちな意識高い系の人って、どういう自信なのかわかんないけど、「自分もホリエモンとか亀山さんみたいな起業家になれる! 」と鼻息荒いんですよね。

その根拠のない自信は決して悪くはない。

悪くはないけど、一方で冷静に判断してほしい。みんながみんな亀山さんみたいなすごい経営者になれるわけでも、若者に金を投資できるような滅茶苦茶な金持ちになれるわけじゃないんです。

数パーセントですよ、たぶん。


でも、自分に投資することは誰でもできる。社長じゃなくても、金持ちじゃなくても、しかもいつでもできる。

自分への投資とはまさに人とつながることですね。さっき書いた人とのつながりでしか「自分の中の多様性」は生まれないんですから。


何が言いたいかっていうと、酒場へ行こうってことです。一人でもいい。スナックなら一人がデフォ。


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荒川和久/独身研究家・コラムニスト
長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。