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脳科学的に「結婚しない男たち」を斬る!

ちょっと前ですが、脳科学者で医学博士の中野信子さんと対談した記事をご紹介します。テーマは「ソロ男(ソロダン)に見る男と女の生き方」

結婚しない選択をする人が増えていることや、男性が一人の時間を大切にしたいと思うこととかを、中野さんならではの切り口で解説して頂いています。

例えば、男性が孤独を好むという点について、

中野:男性がストレスを解消する方法は、女性とは違う。女性は、人と話をしたり共感を得たり、コミュニケーションの中でストレスを発散するんですね。でも、男性はそうじゃない。共感や空気を読む領域というのが脳にはあるのですが、男性はその領域が女性より発達していないんです。どうして一人になって自分を癒す傾向が男性に発達したのかというと、これは推論としてですが、狩猟採集生活においては、傷の治癒や体力回復という喫緊の課題が男性にはあるので、一人で穴倉にこもって自分を癒すことのできる人のほうがその日のパフォーマンスは高い。だから、一人になる傾向の高い人が生き残ったという、そういう理屈なんですね。ですから、男性にとって一人の状態が必要だということは、そんなにおかしいことではない。ところが女性は男性とコミュニケーションをとって癒されたいと思うので、その辺にちょっと齟齬が生じますよね。そういう男性の性向を理解しない女性は、男性にとって負担になるというのはよくわかる話だなと思います。


他にも

結婚して家を持つということは、一種の貧困ビジネスだと言われています」
専業主婦というのも、実はイレギュラーな存在だと思う。もうああいう時代の再来はないのではと思います。あの形式の結婚が人間には合っていないですし」
強制的に結婚しなければならなかった時代が終わったんだと思います」

など、刺激的な言葉をたくさんいただきました。

ただ、結婚しないで未婚を貫くというソロ男的な生き方を推奨するものではありません。しかし、あまりに実情を認知していない人たちが多すぎます。

高齢化ばかりが取り沙汰されていますが、日本は世界に先駆けてソロ社会国家になると言われています。未婚率だけの話じゃありません。離婚率が江戸時代と同等の4割に達しようとしているし、夫と死別した高齢独身女性数が既に1000万人を突破しています。

荒川:おそらく、結婚しなくなる女性もこれから増えてくると思うんです。家族や子どもに幸せを求めることをしないのであれば、じゃあどこに幸せを求めるかというと、男女ともに同じような行動を取らざるを得ないような気がしています。それは消費であったり、何か新しいものをクリエイトすることに幸せを求めるようになる。彼らは「新しい文化を生み出していく」とも言えるんじゃないかと思うんです。ただ、そうなったとき、世の中がどうなっていくのかということは考えないといけないですよね。30年後には65歳前後が最も大きな人口ボリュームになり、人口の半分が独身生活者になります。そうなれば、市場も変わるし、世の中の考え方も変わっていきます。結婚にしても、家と言う単位に個人が属するという考え方ではなく、まず最初に個人ありきで、個人同士が互いを認め合いながら生活をし、共同体をつくっていく、というふうにかたちを変えていかないと、なかなか難しいんじゃないかという気がするんですね。

価値観が多様化したから、人間の関係性も多様化するのだ、という説明に対して、それは一部にしかすぎないという学者もいるんですが、僕はそうは思いません。むしろ政治や社会基盤やグローバルな環境といった外的要因こそ、根本的にはたった一人の人間の価値観の変遷から影響を受けたのかもしれないのです。むしろ人間の価値観がどうして変化して、なぜそう行動されたかにこそ解があるのであって、そこには「生きる」手段として人間の行動の原理が優先します。そこから消費や結婚や仕事が派性し、それが経済や政治に影響を与えるのではないかと思っています。


歴史は教訓を与えるが、歴史では未来は作れない。

未来を作るのはいつも人間の今の行動である。


一人一人が経済的に自立し、「結婚」や「家族」という概念にとらわれず、個人が個人として自由に恋愛や相互の関係を作る世界は、今はないテクノロジーとともに「関係性の未来」として現れてくるでしょう。

全文はこちらからぜひ!

連載対談企画「キザシ」 第2回 / ソロ男に見る男と女の生き方 中野信子×荒川和久


長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。