孤独に死ぬより、「孤立のまま生きる」方が地獄である。
日本の高齢化社会については、いつも問題視されますね。それは事実だし、異論もないのですが、よくよく数字を冷静に見てほしいんです。
国立社会保障・人口問題研究所が2012年に出した配偶関係別人口推計によれば、高齢者人口3740万人に対して、独身者人口は4800万人!
なんと、高齢者より独身者の方が多い国になるんですよ。
まさに「ソロの国・ニッポン」。
こっちの方が問題じゃね?って気もするんだよな~。
ということで、東洋経済オンライン連載中の「ソロモンの時代」、今回のテーマは、独身だらけの日本に起きる問題のひとつ「孤独死」について取り上げました。
ぜひご一読ください。
激増する高齢者の孤独死「7割は男」という現実
既婚者でも「妻が看取ってくれる」は大間違い
書くにあたって調べてて驚いたのが、「孤独死」に関する国のデータが存在していないということ。記事では、東京都福祉保健局が発表している「東京都監察医務院で取り扱った自宅住居で亡くなった単身世帯の者の統計」を使用していますが、これはあくまで東京23区内だけです。しかも、異常死として扱われているんです。
今後、高齢の独身率が増え続けることは自明の理なんだから、国もこういうデータをちゃんと用意した方がいいと思いますよ。
ちなみに、記事では、全国都道府県の「高齢独身率ランキング」も掲載しています。65歳以上の独身の割合ですね。
ちなみに男女5位までは以下です。
男は「沖縄」、女は「青森」が1位なんですね。47位まで出しているので是非記事の方をご覧ください。
ここでも驚くのは、なんと高齢女性の独身率は全国平均でも49%。ほぼ半分の高齢女性は独身なんです。要するに、夫に先ただれて一人になってしまったということですね。人口としては、2035年の将来推計人口でも、高齢独身女性は約1200万人にも達します(高齢独身男性は半分以下の約500万人)。
つまり、4800万人の独身者のうち、1700万人は高齢者なんです。
未婚の独身という人と、一回結婚して独身に戻る人。2種類の独身がいるわけです。データとして押さえておくべきというか、国にお願いしたいのは、「孤独死」してしまう人の配偶関係の推移なんですよ。
ずっと生涯未婚だった人の方が孤独死しやすいのか、結婚関係が破綻して独身に戻った人の方なのか。現状ではそれを裏付けるデータがないんです。単純に、構成比から類推すれば、当然「離別・死別」の高齢独身者の方が数は多いわけで、そうなると孤独死の危険性が高いのは、そうした「結婚経験のある人たち」なんじゃないかと思うわけです。
「結婚しないと孤独死するぞ!」とよく言う人いますが、正しくは…
結婚したところで(男は)孤独死する!
ってことです。
孤独死は、主に人とのつながりを遮断することに起因します。高齢独身者は圧倒的に女性が多いのに対して、孤独死の7割が男性であるという事実は、男がいかに「人とつながる力」がないかということを証明しているでしょう。