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鉄カブのディスクブレーキ化
今どきはスーパーカブでさえフロントのディスクブレーキは当たり前。ABSまで安全重視で強制実装な時代。バイク乗りに下手くそが多いとも言う、この辺りは要らない派よりも実装してた方が恩恵受ける派の方が多そうだから・・・まぁいっか。
正直カブのフロントブレーキに関してはオモチャレベルの利きだったからディスクブレーキは歓迎すべき装備ではある。ただ、今どきのカブ系は流用部品があるのでディスクブレーキ化の敷居は低い。お金さえあればどうにかなる時代(笑)
では、鉄カブだったらどうするのか?
よくあるカスタムはフロントフォークをテレスコピックタイプへ変更して今どきのフロントフォークに交換すること。正直これも流用パーツさえ買ってくれば交換するだけである。
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だがしかし!鉄カブのアイデンティティであるプレス成型スタイルを捨てることになる。個人的にはこれが許せない(笑)
■ドラム変換アダプタ
そこで探しまくって見つけたのがコレ。ただし、これはカブ用ではないので加工しないと使えないし安全も保障できる品じゃないけど、すでに1万キロくらいは走ったと思うので自己責任で使う感じですね。Amazonだと売ってなかったですね。私はアジア系の海外通販を使って入手してます。
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この商品を使うには以下の加工や準備をする。
フロントで使用する場合とリアで利用する場合でディスクをオフセットしないといけない量に違いがあるので自身のカブに合わせて準備する
アダプタの耳を2~3mmほど削り落とす(耳が邪魔してドラムの奥まで入らないからドラムの内側に入る程度は削る。全部削るのはNG、奥に入れたときに入り過ぎないようにストッパーとして使う、段に引っ掛かる感じで上手に利用する)
付属のディスク固定用のネジが短いので別に長い(40mm)のを購入(長くすることで、ディスクを外側に逃がしてキャリパーがスポークに干渉するのを防ぐ余裕を稼ぐ)
必要に応じてディスク取り付け補助してワッシャーやカーラー購入(場合によってはナットの厚み利用してディスクを外側に逃がす)
ドラム固定用の台形台座の抜け防止加工(取り付け時に気を抜くと台座が落ちて毎回全部外してはめ直す手間が増えるので落ちないように引っ掛かりを作る)
全体的なバリ取り(安いのでバリが多いw)
うまく取り付けできればこんな感じ。
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■ディスク
使用したディスクはたぶんコレかな。僕は海外通販で入手してるのでAmazon経由では買ってないです。
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フロントのディスクって大きい方が迫力もあって良いと思うんだけど、大きすぎると重くなるし効きが強すぎて扱いずらい、無理やり変換アダプタで取り付けしてるので負担を大きくするのも気が引ける。一番問題なのは実はフォーク側の取付ナット類に干渉するのでギリギリ逃げが生まれる絶妙なサイズが220mmタイプとなる。実際に取り付けして余裕があればデカいのに交換していくのも自由とは思うけど、ブレーキの効きとしては220mmで十分だと書いておく。
■アダプタの加工
赤い部分くらいが邪魔で奥に入らない。削らないとドラムとの接触部分が少なすぎて危ないので削る必要がある。
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綺麗にハマれはこんな感じになる。
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耳を少し残すことでハブ側の段差にひっかかり取り付け時に水平が取りやすい。
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台座の抜け落ち防止はこんな感じで加工すると良い
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ディスク化するときの難所がこれ。フォークとタイヤの幅が狭いためディスクを外側に逃がす余裕がほとんどない。おまけに奥にショックの取付支点となるボルトが出てるためディスクが当たるのだ。これが基本的に220mmがベストな理由。
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ナットがディスクに当たるので低頭ナットに変換しボルトも短くした。
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難所の一つにキャリパーとしての厚みを考慮する必要がある、単純に取付するとアダプタを奥まで押し込む、スポークにキャリパーが当たってタイヤが回転できないことになる。これを避けるにはディスクを外側に逃がす必要があるが、フォームとの隙間がもともと少ないので逃がすにも限度がある。
現実的な解決策として僕はキャリパーを1~2mmくらい削ってます。ちょうどブレーキパッドの取付ボルトの頭をわずかに削る感じの場所までゴリゴリしました。
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わかるかな?削ったぶぶん。当然強度は落ちるので自己責任です。
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■キャリパーの取付金具
こればっかりは売ってないので自作します。ディスクを220mmとして全体の位置関係を割り出していきます。材料はどのくらい強度がいるのかわからないしw入手可能なのは鉄かアルミで安いのは鉄(笑)アルミの溶接はできないけど鉄だったらなんとかなるかな?ってことで近所のホームセンターで入手可能な6mm厚の鉄板を買ってきました。加工は自前の工具を駆使してやります。金具が2分割になっているのは、使うキャリパー等が変わった時に作り直す部分を減らすためです。メンテナンスも分割できた方がやりやすいです。
使った道具・材料類
・鉄板 (6mm)
・ディスクグラインダー (材料の切り出し、複雑な形でも手で切り出す)
・ボール盤 (穴あけ)
・タップ (ネジ穴作成)
・パソコン (図面の作成と印刷)
・スティック糊 (図面を鉄板に貼り付けて切り出す目印に利用)
・ベアリング (可動部の補助)
・ネジ (6mm、10mm、その他既存流用)
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■ブレーキキャリパー
これは好みかな?ただし、前記したように取り付け可能な幅が狭いのでなるべくスマートな商品を選ぶこと。僕が使ったのはコレの金色バージョン。この商品のパッド取付ボルトは表側だけど実際は裏にあるので注意。ちなみに僕は海外通販で買ってるのでAmazonからは購入してません。リア用となってますが、無視してもらって大丈夫です。特別な理由でリアじゃないと壊れるとかそういうことではありません。取付台座が一般的なリアに使えるものが付いてるってだけです。僕の自作金具はこのキャリパーが取付できるように設計してます。なので自分がチョイスしたキャリパーに合わせて金具は作る必要があります。
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■ブレーキレバー
好みで好きなの取付してください。注意点としては角目カブはハンドルパイプの直径が22mmタイプなので問題ないですが、丸目カブは19mmだっけ?細いので一般的なブレーキレバーの取付ができません。スペーサー等を使ってハンドル直径を合わせるかバーハンドル化をして標準サイズのハンドルに交換しておく必要があります。
探すときは250ccクラスに対応したものを検索すると良いかも。モンキー用とか歌われてるものだとイマイチなのが多いです。それに小型車用と歌ってるものはマスターが小さいので全力で握らないとブレーキが効かないことも多いので引きしろを少ない方が好みって場合もマスターが大きめの商品を買う方がいいと思います。
それと競技専用品とかなってるとブレーキスイッチが付いてなかったりするので注意してください。かならずブレーキスイッチ付きであることを確認します。あとは、ミラーの取付が可能なタイプかどうかはご自身のカブの都合に合わせて選んでください。
例えばこういった商品
■leihuo 7/8"ブレーキマスターシリンダー 汎用 250 300 350 400 450 500 550 600 650 660 700 750 660R 700R YFZ450 オートバイ ATV(ブラック)
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■リアブレーキ マスターシリンダー
リアは正直ドラムの効きで十分かな。勢いでディスク化したいならこれを買って取り付けする。とうぜん取付方法と必要な金具類は自作となる。
■油圧リア ブレーキ マスターシリンダー リア タンク 一体型 オートバイの改造 汎用品 ゴールド
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とりあえず完成形?がこちら。
■フロントのディスクブレーキ化
角目カブなのでブレーキの回り止めにもともと付いてるトルクロッドの台座を流用して使う。
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■リアのディスクブレーキ化
フロントに比べるとスポークから逃がすことができる量に余裕があるので楽に設置できる?ただし、マスターシリンダーとブレーキペダルを連携させる部分が難所になるので工夫すること。ここはクリアランスがかなりシビアである。
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あとはとにかく各所のクリアランスの調整が一番面倒な場所になるが、微調整用にワッシャーを色々買い込んでおくと良い。位置が綺麗に決まったらサイズを測ってスペーサー等をちゃんと作ってハメ込むと良いだろう。
最後に
基本的に自己責任でのカスタムになる。たまにキット化して売って欲しいなんてことも言われるが、他人の命の責任はおえないのでやらない。実際の性能としてはサーキットレベルの速度域でも問題なく動作しているので、個人的には完成度はそこそこ高いレベルを維持していると思う。
自分もチャレンジするぞ!って方は十二分に注意を払って行って欲しい。カブも自身の身体も重要な財産である。