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鉄カブのステップを可倒式に作り替える

鉄カブ(いわゆる昭和に生産された鉄板プレス成型でボディで作られてるカブ、今どきのプラスチック外装のカブと区別されて鉄カブと称される)だと色んなキャブレター式エンジンを載せて好みの操作性(普通のクラッチ有方式)に変えたりエンジンスワップ(エンジンの排気量を大幅に変更、50ccから125ccとか)なんかも自由自在にできたりする。ただし、エンジンを大きく変えるとそれなりの調整は必要ではあるものの・・・いがいと難しくはない。難しくなるのは・・・一般枠を超えたカスタムへ進むときかな。

そうそう、話を戻してステップのお話。普通に街中でお買い物やお散歩、出前や配達で使うくらいだと意図的にカブを倒して乗らないかぎりは、そんなにステップが地面に接触するようなことにはならない、ハズ。

それでも普通に使う範疇でも、重たい荷物を載せて運ぶ仕事やカブキャンなどで山盛りの荷物を積み込んでの移動をするとさすがに過積載でサスペンションは沈んだまま・・・タイヤも凹む。こうなるとカブ自体の車高がべったり地面に近づく形で下がる。そんな状態で曲がり角をくるっと小回りするとステップがガリっとアスファルトに接触する。運が良ければ「こわ!びびったー!!!!」くらいで済むのだけど、運が悪ければステップがアスファルトに食い込んで転ぶ、場合によってはステップが曲がってしまう。

これが山道だと道路の傾斜も重なり平坦な道以上にステップがアスファルトに接触しやすくなる。峠の走行中にコケたとこを想像するといかに怖い思いをするかおわかりだろう。

それに・・・可倒式のステップはスポーツ系のバイクでは標準装備!カッコいいではないか(笑) うん、可倒式が欲しい!それだけの理由である。

実は数年前から可倒式にするパーツだけは入手していたが、実際に使ってるステップを切って溶接などする自信がなかったので放置していた。だいぶ溶接にも慣れてきたのでチャレンジしてみることに。

まずは設計である。自分が使ってるステップの直径が14mmだった。購入していた足を乗せるパーツは22mm。それを繋ぐ鉄板は6mmのホームセンターで買ってきた鉄板の端材。始めはステップの高さを出そうと中心点が28mmくらい上がった図面を作ったけど、そうするとブレーキペダルとの段差が大きすぎてよろしくない。下駄履かせてもブレーキペダル自体は設置上限まで一番上に来てる、これ以上やってもペダルと地面との距離はかわらないので意味がない。とりあえず20mmアップに修正。

なんとなくのイメージを掴む
図面の引き直し

部品を切り出してみる。僕は鉄板にいつもスティック糊で印刷した図面を貼り付けて乾いたらグラインダー使って手で図面の形になるように切り出している。下手に鉄板に線を描くより正確に簡単に切り出せるのでおススメしたい方法。それに黒い鉄板に線を描いても視にくい。うまく切り出せたらバリ取りしてドリルで穴を開ける。貼った図面はこのあと水で洗えばズルっと綺麗に剥がれ落ちる。

仮合わせして稼働範囲に障害物がないか最終確認

位置が決まったらあとはバチバチと溶接である。始めに位置を固定するために簡単な点付けする。余分なステップ部分を切断して本付けになるんだけど、溶接機の能力によってはステップ側の切断面をテーパー状またはお互いに斜めに削ってV型の溝ができた状態まで削った方が溶接したときの接着強度が上がる。要は溶接時に鉄同士が溶けてくっ付く面積を増やした方がしっかりくっ付くということである。点より面でくっつけろってことね。今回は僕は溶接面積を別の方法で稼ぐので削らずに対応した。

それで最終的に色も塗り直したのがコレ。まだまだ溶接は下手くそですね。。。途中で溶接ワイヤー切れたので交換したら、前と同じセッティングだとうまく行かず微調整が必要だった。ワイヤーの太さ一緒でもブランドが違うと勝手が違うみたい。

途中太くなってる場所は以前、エンジンの横幅に合わせて延長した部分

四苦八苦しながらなんとか使えそうな感じになりました。思いつて完成までが1日の突貫作業(笑) いつもこんな感じ、やれると思った時には頭の中に完成イメージがあるので形にするだけです。

実際にカブに取り付けした感じはこんな風になります。停車時と走行時のどちらのパターンでも可倒させるには45度とか50~60度とか色々状況によって推奨角度があるようです。

45度くらいで取り付け

翌朝は大分でのミーティングがあったので、そのまま試験走行でお出かけしてきました。問題なく使えたのでOKです。

それとシフトペダルの高さは簡単に調整できましたが、ブレーキペダルについても余計に踏み込まないと同じようにブレーキがかからないのでペダルの上にゴム乗せて高さ調節しておきました。

ペダルリフトアップ20mmぶんゴムも20mm追加
ボルトで固定

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