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wam アクティブ・ミュージアム 「女たちの戦争と平和資料館」に行ってみた

 先日Twitterに投稿した「看過できないと思ったこと」に対していいね!してくれた方のYouTube投稿を見る機会がありました。

https://twitter.com/hardboiled_chi?s=20

 ハードボイルドチアキ@hardboiled_chi さんという フェミニスト芸人さんです。YouTubeの自己紹介動画もなかなか好感持てるような感じの方で素直に、この人いいなって思いました。

 そして、投稿の中に「【オススメ】「アクティブ・ミュージアム 女たちの戦争と平和資料館」に行ってきた」というのがありました。

紹介の中身については動画をご覧ください。

 私はこの動画を見て、そういえばこの問題はテレビや新聞記事でしか見聞きしたことがないと思い、ハードボイルドチアキ@hardboiled_chiさんの行動力を見習うべく、この動画を見た午後に出かけることにしました。場所が早稲田大学のすぐ近くということもあり、めったに行く場所ではないのでその周りの雰囲気を楽しめたらラッキーぐらいの気持ちでした。

現地到着・・・

 到着・・・したはずなのですが・・・ハードボイルドチアキ@hardboiled_chi さんの言っていた通り、迷いました。。。

 大きな一つの建物だと思っていたものは、実は別の建物で管理も違うみたいでした。受付のおじさんに声を掛けたら、それは向こうのビルですよ だって。 よく見たら、入り口も向い合せ。二階に上っても、何もなさそうな雰囲気。

 実は視線が上のほうばかり向いていたからで、腰より低い位置に手作りの看板がありました。恐る恐る先に進むと、写真で紹介されていた光景が見えてきました。

 受付票に記入し、受付にいた年配の女性にお金と一緒に渡しました。入館料は一人500円。この値段は人によって高いか安いか判断わかれるところだと思いますが、得られた知識量から判断するとかなりお得な値段設定だと思いました。

 動画で言っていた通り、受付を済ませたら「初めてですか?」と聞かれました。初めてと伝えると「初めてだとどこに何が展示してあるかわからないと思いますから説明しますね」と説明が始まりました。声も語り口も優しく、このことをきちんと伝えたいという意思のようなものを感じました。

 動画であらかじめ知っていた流れになるというのは何とも言えず照れくさく、にやけてしまいそうになりますが頑張って堪えました!(笑)


今まで何も知らなかったことを知る。
慰安所があった範囲の広さとその数に驚かされる


 最初に慰安所が存在していた場所を地図で説明してくれました。慰安婦問題というと朝鮮や中国というイメージを持っていたのですが、地図の説明を聞いて愕然としました。東アジア全域にそれはもう無数の赤いマーク。

 朝鮮半島、ロシア(当時満州)中国(洛陽、武漢、南京、上海・・もっと全域)、台湾、ベトナム、カンボジア、タイ、ビルマ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、東ティモール、フィリピン、パラオ、パプアニューギニア、ミクロネシア連邦、サイパンやグアム、そして日本。慰安所があるということはそこには日本兵が居て、その国々を侵略をしていたという事実。改めて大日本帝国の罪深さを思い知ることになりました。

 続いて先ほど入ってきた入り口に。個々の壁には30㎝四方の顔写真のパネルが壁一面に。すでに年齢を重ねてから撮影されたものです。183名の女性が名乗りを上げています。

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 小さな白い花がついている写真が結構ありました。お亡くなりになった方だそうです。ほとんどが朝鮮半島や中国の皆さんですが、おひとりだけ日本の方の写真がありました。日本人の慰安婦が少なかったわけではありません。名乗り出ることができなかったのです。 今の生活も家族もどうなるか分からないのですから。生活している日本で公表は出来ないと思います。中国や朝鮮の方の場合も自分が住んでいる所ではやはり公表することは難しかったようです。


起きていた現実

★ここからは、性暴力や人権蹂躙についての記述があります。フラッシュバックなどご注意をお願いします。★

 国会で慰安婦のことが問題になったのは1990年。6月の参議院予算委員会で政府が(慰安婦は)「民間業者が連れ歩いた」と答弁。そのことを知った、金学順さんが日本政府が言っていることは事実と違うと驚いて、黙っていられないということで自分は慰安婦だったと初めて名乗り出ました。自分には家族や子供もいて普通に生活しています。もし、周りに知れたら何をされるか、家族に何が起こるかわかりません。それに、あの地獄のような日々を思い出すことでフラッシュバックも。金学順さんはそれを乗り越えてでも日本政府を許せなかったのだと思います。いままで存在しないとされていた人が名乗り出てきたわけですから世界的に大問題になったわけです。1993年8月、政府は 慰安婦 強制認め 謝罪 しています。

 その後、国の関与があったのか、なかったのか議論が行われていますが、それについてはまとめで触れたいと思います。


展示されているものは事実の積み上げ

 説明を受けた後、自由に展示を見て回りました。たくさんのパネルが壁一面に貼られた空間に。そのパネルはお一人お一人どのような経緯でどこに慰安婦として連れて行かれたか、どのようなことをさせられたのか、記されています。

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 それら一つ一つに目を通しました。言葉になりません。10代の女性がほとんどで、中には13歳で拉致されて連れてこられた方もいました。慰安所に来た経緯も様々です。家が貧困で自分が働かないとみんなが食べていけないから声を掛けられて家族のためにという人、今の賃金では生活できないから「稼げる」という言葉に騙された人、13歳だった女性は道を歩いていて拉致されて連れて行かれて・・・。いずれもたどり着いたのは慰安所です。約束と違うといってももちろんお構いなし、従わないと暴力、人格破壊の言葉の連続。とても狭く仕切られた部屋で、1日20人や30人の相手をさせられる。今のような平時ではありません。戦場で命の限界ギリギリまで追い詰められた兵士を相手にするのです。これほどの生き地獄は想像するだけで吐き気がします。それが何年も続く。局部が避けても相手をさせられたとありました。どの人のパネルを見てもみんな置かれた環境は同じ様子でした。

 パネルを読み終えたら次のパネル、また次のパネルと、読み進めることを止められません。そこには彼女たちの悲鳴と助けを求める叫びが詰まっていて、私にはそれを無視することはできない思いでした。


まとめ

 この問題がなぜ今だに解決していないのか、平和条約・二国間条約でもこのことが置き去りにされたのか。案内してくださった女性の方が最初に話してくれました。

 大正10年に「婦人及児童ノ売買禁止ニ関スル国際条約」が国際連盟によって採択されているそうです。日本も国際連盟加盟国でした。

 戦争が終わった時、軍を通じてすべての慰安所に一斉に指示が飛んだそうです。すべての証拠を消せと。関係書類、記録などすべて。。。。そして鮮やかなほど証拠隠滅されたようです。国際連盟に加盟している日本が「婦人及児童ノ売買禁止ニ関スル国際条約」に真っ向から反することをやり続けていたことが世界に明るみになることを極端に恐れたのでしょう。自分たちの処遇が不利になることを極度に恐れたのではないかと想像できます。だからこそ、戦後何十年たってもかたくなに慰安婦の事実はなかったと言い続けてたのだと合点がいきました。

 
 最近散々見てきたどこかの政府の対応を思い起こさせます。

 これでは、慰安所・慰安婦に関する証拠が出てこないわけです。

 でも・・・人生の大切な時期を暴力や暴言で強制性労働(労働ですらない)させられた人は生きていました。それに関わった人もいました。(当時日本兵だった方も、この活動に参加されています。)

 日本政府の態度を見て黙ってはいられないと最初の一人が声を上げました。「このままあの忌まわしい事が無かったことにされるのは本当に悔しい」と、183人の方が声を上げました。

どんなに取り繕っても事実はなかったことにはできません。

 また、国の関与の有無で世の中がかなり騒がしかったことをうっすらと記憶しています。その証拠が捏造だったという騒ぎもありました。

 この積み上げられた事実を見て感じるのは、たとえ国が直接従軍慰安婦問題関わった証拠が無くてもこの事実は存在します。

 軍は狂気ともいえる戦場で兵士を機能させるために、慰安所が必要でした。現地住民の女性や子供を強姦することだってあったといいます。兵士の精神を安定させるために慰安婦という道具が必要だった。その状態を生み出したのは紛れもない机上の戦略図を引いていたトップであり、国です。この事件の外枠そのものが国の関与であると思いました。

 なぜ彼女たちがこのような非道い目に合わなければならなかったのか。
そこには貧困、性暴力、人権の蹂躙があります。そしてそれらを生み出すのが戦争です。改めてそう思いました。


当時の日本は自国の経済、財閥の経済・利潤を求めるがために人権を封殺して侵略戦争を行いました。

戦争は人権を破壊する、人権の対極にある国家的な暴力です。

絶対に繰り返さないために自分に何ができるのか考えたいと思います。


最後に

 私は「女たちの戦争と平和資料館」に出かけて本当に良かったと思います。本やニュースでは表現されない(できない)事実がここにはたくさんありました。その事実に圧倒されるほどの想いを体で感じたような気がします。

 皆さんも機会があったら是非訪問してみてください。物の見え方が大きく変わるぐらいの価値があると思います。11月末まで開催しているそうです。

利用案内
開館時間
金・土・日・月 13:00~18:00
※2月11日、2月23日、4月29日、11月3日は「祝わない」ため開館。» こちらもご覧ください。

休館日
火・水・木・祝日・年末年始
※「祝日」休館は、天皇由来の上記4日を除きます。
※展示入れ替え期間は休館となります。

入館料
18歳以上:500円
18歳未満:300円
小学生以下:無料
※障がいのある方の付添いは無料です。


 動画にてご紹介くださった ハードボイルドチアキ@hardboiled_chi さん 本当にありがとうございました。

https://wam-peace.org/

https://wam-peace.org/about/access


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