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緑茶人気のコンブチャ業界だけど・・・

中医学では紅茶は体を温める性質があり、寒さによる体調不良や消化不良に効果的だとされます。実際、私が秋冬に中国へ茶葉を買いに行くと「今の季節は紅茶を飲むヨ。」と言われます。
日本で育った私は振り返るとそのものの性質を考えることなんて一度も無かったのですが、中国ではそのような意識が一般的に普及しているようです。素晴らしいと思います。

日本では、煎茶や抹茶などどちらかというと”緑”の方が馴染みがあるでしょうか。コンブチャ作りの際に、緑茶を選択する方が少なくありません。
実はコンブチャは、茶葉の特性から考えると紅茶が最も適しており、発酵が安定して失敗が少ないのですが、それでも日常的に紅茶を飲む習慣があまりないというのが一つあるかもしれませんね。
もう一つ、緑茶が人気な意外な理由があるようです。それは、二次発酵時に投入する素材の色が出やすいからだそうです。これを聞いた時には正直、驚きを隠せませんでした。何故なら、私は二次発酵をおすすめしないからです。(その理由は別の記事で説明します)コンブチャはお飾りで、そのものの特性や味は二の次といった感じでしょうか?

緑茶の特性

緑茶は発酵させる際に紅茶より不安定になりやすいです。お茶の原料となるチャノキをどのように加工するかで、緑茶にするか烏龍茶にするか紅茶にするかが決まるのですが、緑茶の製造過程において酸化発酵を経ないためチャノキの栄養成分がそのまま分解されずに残っています。コンブチャ作りでは微生物にとって、それは利用しずらい(代謝しずらい)成分となります。紅茶だとチャノキの栄養成分が酸化発酵によって分解され、微生物が利用しやすい(代謝しやすい)状態になっている訳です。緑茶では微生物と親和性の低い成分が液中に存在し、紅茶では微生物と親和性のある成分が液中に存在ている。従って、紅茶の方がコンブチャにした時に発酵という意味で一体感のある仕上がりになります。

もちろん、そもそもの微生物が多く元気なスターターキットで緑茶コンブチャを作ればその辺りは微生物たちが力でねじ伏せることも可能ではあります。また、若干酸化発酵の過程を踏んだような緑茶も存在しており、これらを使用すると発酵しやすく、一体感も出やすくなります。こういったお茶は改めて紹介いたしますので、楽しみにお待ち下さい。

そして緑茶の中医学的属性ですが、これは身体の熱を取る「涼性」とされています。お茶を収穫して、五月〜飲み始めるというスタイルは、理にかなっています。九月から十月頃まで緑茶を楽しんだら紅茶に移行してゆきます。

冬の風邪予防には緑茶?紅茶?

インフルエンザなどの予防に緑茶のカテキンが効果的だと聞いたことがある方が多いかもしれません。緑茶に含まれるカテキンには抗酸化作用や抗ウイルス作用があります。
一方、紅茶に含まれるテアニンは免疫機能をサポート・リラックス効果を促進しますが、カテキンのような直接的な抗ウイルス効果はありません。

風邪予防を考える場合はどう飲めばよいのか?ですが、基本的には紅茶でよいでしょう。少し違和感があると感じた時に緑茶を選んでもよいと思います。一番大切なことは身体を温めることであって、それが根本的に風邪の予防へと繋がります。喉がイガイガする時には緑茶でうがいしてみるのは一つの手として温存しておくのがおすすめです。

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