はやぶさ・こまち連結外れの原因の会見を見て思った事
こんにちは、すぎっちです。
今週、JR東日本が会見を開いて、原因を説明してたし、ニュースでもやってたので見た人も多いと思う。日テレのリンクを貼るね。
JR東日本の説明だと原因は、
・駅で連結がうまくいかなかったときの為の、強制切り離しスイッチ(以下SW)が運転台にある。
・そのSWの操作盤の裏に車両製造時の穴あけ加工時の切削くず(金属)が落ちており、その金属で端子ショート(SWがONの状態)となり、強制切り離しSWが作動した状態となったと考えられる。
という事でした。
SW端子間は約6cm。見つかった切削くずは2cmだが、「原因を調べるときに切削くずを触ったりした為に折れたものと思われる」との事でした。該当車両の製造メーカは日立製作所。同型車両で類似の切削くずが見つかった。同様の事故が起きないように、同型車両も該当SW配線を撤去する方針。との事でした。
ここからが上記を聴いての私見①ですが、
新幹線が電子制御の列車になっているのに、車両製造管理方法が50年前と変わっていない事が原因だと思った。具体的には
加工工程と組付け工程を分離するべき!と思う。
加工工程とは、切削(切断や穴あけの工程で、切った粉やくずがでてしまう)や溶接(金属を高熱で溶かして接合する工程で、スパッタ、スラグと呼ばれるカスやくずが出てしまう)など、どうしても金属くずが出てしまう。
つまり、導電性の異物の発生が避けられないのが金属の加工工程である。
なので、加工しながら組み立てるという事をしないのが現代の物づくりの常識。(家の建築でも、自動車でも)
逆に言うと、50年前は加工しながら作っていた。
家の例では、昔は建てる家の横で材料の木をカンナやノミで削り、部材を加工制作しながら現物合わせで家を組み立てていた。いわゆる大工仕事である。それでも、削りくずは施主の敷地内に残さないようにしていた。現在は工場でユニットが製造され、そのユニット材がトラックで運ばれ、現地では組み立てるだけだ。
自動車でも、鉄板を車体の形状にプレスする工程の後では必ずプレスくずやバリを除去して後工程に異物を出さない様にしているし、溶接する工程の後では溶接カスを除去している。そして除去の検査をして後工程に送っている。走行系コンピュータなど、電気、電子部品を組み付ける工程はずっと先の別の部屋で、金属製異物など入り込まない様に工程管理されている。
新幹線は動力部は電気モーターで走る電気装置(昭和の時代)だが、その制御は電子制御なのだから、作り方を電子の時代(令和の時代)に合わせるべきなんだろうなぁ。というか、切削くずを清掃しないでOKなんて、どういう判断なんだろう?。日立製作所に聞いてみたい。
ここから私見②ですが、
切り離し条件に、車速5km/h以下のAND条件を入れるべき!(5でなくてもOK)と思う
会見でJR東の人がマスコミから指摘されて「低速の検出は技術的に難しいので入れていなかった。」と言っていたが、これは技術力不足なんだろうな。
低速になると、車速センサからのパルス間隔が広がる=パルスが来なくなるから、低速の確定は難しい。その通りだ。
だが、数値を確定する必要はない。低速で必要パルスが稼げなければ、周波数読みから周期読みに切り替えて低速精度を確保して、それでもパルスが来なくなればタイムアウトすれば良いだけの話。それが可能な範囲で判断すれば良い。5km/hが無理なら10km/hにすればいい。可能な範囲で低速判定は入れるべきだと思う。10km/h程度なら十分検出可能だと思う。
「低速の検出が難しいから300km/hでも動作してしまう仕様です」っておかしいよね、常識的に考えて。
で、「だからSWを取り外します」って、安直すぎませんか。何の為にそのSWが付いているのか、日立以外の車両製造メーカにもSW搭載の経緯や設計意図を教えてもらって、現場にはそのSWの使用実績はどの程度あったのか、よくよく運転士整備士の声を聴いて、現場が困らないように安全運行ができるようにやってほしい。
頼むぜJR東日本。時間の無い中で調査して公表したのは良いと思ったので、頑張ってほしい。
以上、すぎっちの戯言でした。じゃ、またね。