「遺跡deウィキペディア in ユリ遺跡」参加レポート まとめ
12月15日(日)、福井県若狭町の若狭三方縄文博物館で開催されたウィキペディアタウン「遺跡deウィキペディア in ユリ遺跡」に、Wikipediaについてガイダンスをする講師として参加しました。若狭町にある縄文遺跡・ユリ遺跡をテーマに、埋蔵文化財調査センターが主催したWikipedia編集イベントです。
同主催者による編集企画は、今年6月に福井市で開催された「糞置遺跡」に続いて2回目。前回は題材を理解し分析するのがとても難しく、文献を読み解くまでがとっっってもたいへんだったので、今回はいま流行りの新しい手法を試してみることにしました。そう――――生成AI「ChatGPT」の導入です!
といっても、Wikipediaの記事にはたしかな出典情報を付与する必要があるので、AIの文章をそのまま使えるわけがありません。あくまで参加者のみなさんの思考のヒントとして、新規項目の構成をChatGPTに検討させてみることにしたのです。実は少しドキドキしながらの挑戦でしたが、結果的にかなりの手応えを感じました。
ChatGPTの可能性を実感
ChatGPTを活用するには、少なくともある程度のたしかな情報がWeb上にすでにあることが前提なので、ウィキペディアタウンで取り扱うような地域項目にすべて適用できるわけではありませんが、少なくとも文化遺産オンラインや全国遺跡総覧に情報が掲載されているような文化財や遺跡に関する項目は、指示をしっかりと設計すれば誰でも同様の結果が出せるのではないかと思います。問題はその指示書。「頭脳はアインシュタインだが、意図を察する心は5歳児並み」の生成AIに、的確な回答をさせられるかどうかは、指示する側の文章構成力がカギなのです!
そこで、来年の抱負として「誰でも再現性高くWikipediaの項目骨格を作成できる指示書」を開発することを決意。これは私にとって新しい挑戦となりそうで、今から少しワクワクしています。
イベントを通して広がるつながり と 来年に向けて
ユリ遺跡のような地域の文化財に触れながら、地元の方々や参加者と知識を共有する時間は、一般の観光客には体験できない本当に貴重な瞬間です。ウィキペディアタウンはひとつひとつが新しい発見と学びの場でもあり、何より人と人を結びつける力を感じます。今回の参加者には、地元の高校や大学の先生も参加されていました。参加者同士で縁がつながり、それぞれの日々の取り組みがより拓けていく瞬間に立ち会えるのはとても嬉しい時間でもあります。今年もそんな素敵な場を数多く経験できたことに、心から感謝しています。
年末のご挨拶には少し早いですが、今年も多くの方々にお世話になりました。ウィキペディアタウンに参加してくださった皆さま、支えてくださった関係者の皆さま、本当にありがとうございました。来年もさらに楽しく、そして意義ある活動を展開できるよう努めていきたいと思います。引き続き、よろしくお願いします!