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【ウィキペディアタウン・レポート】こま🐈まつりでWikipedia 2024年版

2024年10月19日、京都府京丹後市峰山町でedit Tangoが主催するイベント「ウィキペディアにゃウン vol.7 ものづくりの丹後」が、地域イベント「こまねこまつり」の一環で開催されました。こまねこまつりは、金刀比羅神社の文化財「狛猫」にちなみ2016年から毎年秋に開催されているイベントで、「ウィキペディアにゃウン」はその関連企画として2018年の第3回から毎年開催してきました。こまねこまつり10周年となる2025年を迎えるにあたり、今年のにゃウンを振り返ります。

「ウィキペディアにゃウン」では、参加者が地域の歴史や文化に触れる「こまねこウォーク」に参加した後、Wikipedia記事の編集を行うのが近年のパターン。7回目となった2024年は「ものづくりのまち峰山」をテーマに、吉村商店(丹後ちりめんの生地商)、染色工房嶋津、日進製作所創業記念館(丹後地域最大の精密機器メーカーの非公開施設)を訪問し、各所で伝統産業や地域経済について学びました。

午後は金刀比羅神社にある会館で、Wikipedia編集の講習や作業を実施。さらには、静岡県沼津市からCord for ふじのくにの市川氏をゲストにお招きし、シビックテックにWikipediaが活用されてきた先進事例を紹介していただきました。

今回のイベント中に編集されたWikipediaは、以下の5記事。

吉村商店 - Wikipedia(新規作成)
丹後織物工業組合 - Wikipedia(新規作成)
吉村伊助 - Wikipedia(加筆)
丹後ちりめん - Wikipedia(加筆)
日進製作所 - Wikipedia(加筆)

最近は生成AIがWikipediaに代わる情報ツールになるのでは!?なんて声もたまに聞きますが、AIはそもそもインターネット上に存在していない情報を入手できないので、文章生成AIに活用してもらうためにも、紙文献にしか存在しない地域の情報をWikipediaを通してデジタル資料としていく「ウィキペディアタウン」と、適切な情報をピックアップできる人間の判断力の重要度はますます高まっていると感じます。
今回の題材の場合、例えば政治家でもあった「吉村伊助」に関する情報を整理する過程では、中央のいわば公的な資料(『衆議院名鑑』など)と地域の図書館が持つ郷土資料の間で、生年月日や学歴にくい違う記述が見つかりました。最終的には両方の情報を提示する形で記事が修正されていますが、こうした文献の矛盾を解消しながら記事を充実させる作業は、とても苦労はあるものの、地域の歴史を深く理解する貴重な機会でもあり、ウィキペディアタウンの醍醐味のひとつでもあります。

今回の「ウィキペディアにゃウン」には5府県から参加者がやってきましたが、このうち和歌山県から初めてウィキペディアタウンに参加された方から、とても詳細なレポート(下記pdf)をいただきました。とても励みになる素敵なレポート! ありがとうございました。

また、いつもサポート参加いただいているウィキペディアンのかんたさんからも、毎度のごとく詳しいレポートをいただいています。いつもありがとうございます。

活動開始から7年目を迎えるedit Tango。これからも、地域をひらき・つなぐ活動を続けていきたいと思います。

ウィキメディア財団ブログでの私のレポートはこちら。

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