松井さんと
田中美津さんの通夜に参加した松井さんと、登戸の駅で待ち合わせた。引っ越しを数日後に控え、彼女はバタバタと慌ただしいはず。
私と同じぜん息の予防吸入薬を使っている彼女、手持ちのものがなくなったので、いつものクリニックに行ったら、すでにお盆休みで休診だったと。余っている吸入薬はないかというSOSだった。処方薬のやりとりは褒められた事ではないだろうが、同じ持病薬だ。引っ越し先の病院で処方してもらうまでのつなぎだ。薬は定期的にもらうけれど、ついつい吸引するのを忘れて手元に余ってしまうのはよくあること。断る理由はひとつもない。
通夜が終わった後の時間とはいえ、この暑さ。いつものように多摩川を越えて歩いて行くわ・・・・というわけにはいかないから、小田急線の駅構内で待ち合わせて薬を手渡し、ちょっとだけ立ち話。「参加者の人数も多くはなかったし、あんまり知った顔はなかったわ」「Fさんがいたけれど無視された」・・・。
松井さんが「疼くひと」「最後のひと」を書いて以来、さらに入籍してつがいを生きることにしてから、今まで彼女を慕い、なにかと周りに集まっていた女性たちの中には、急にそっぽを向くようになった人たちがどっさりいるのだと、常々彼女は話していた。現役国会議員のFさんもその1人らしい。「エーッ 気付かなかっただけじゃないの」、鈍感な私はこう言うしかない。
上野千鶴子さんの入籍騒ぎにも、とんでもないバッシングがあったけれど、表に出る女性の予想外の行動に対して、世間の眼は厳しく、また恐ろしい。
「何を恐れる」の上映会を参議院議員会館で企画してくれたり、全国の上映会場にも来てくれて、とても協力的な女性のひとりだったFさん。本業が大変で、気が回らないのだろうか。
多摩川をはさんで行ったり来たり・・・、近場で仲良くしていた松井さんご夫婦だけれど、ちょっと遠くなるから残念。涼しくなったら、会いに行こう。